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そこに居たのは、今井くんのナンパを見て笑いを堪える金髪とツンツン頭
「おはよ」
「おーA…あれ何?新手のお笑いか?」
「ここらじゃ一番のナイスガイだってナンパしてんだぜ、下手くそにも限度があるよな!」
程なくして俺の横を通って行った2人組みの女子は先程まで今井くんがナンパしていた彼女達だった。
わかってたけど無視されたかー
「2人とも可愛かったからな…」
ハードルが高かったか、そう思いながら呟くと二人は足をピタリと止め、くるりと振り返り俺の両隣へやってきて嬉しそうに微笑んだ
モテ期きたか
「Aさん、よかったら一緒に登校しません?」
「さっきゴリラみたいな顔した変な男の人に絡まれたんですよ」
「大変だね、行こうか!」
可愛い女の子と朝から一緒とか幸せすぎるでしょ
今井くんに申し訳ないと少しだけ後ろを見る
分かりやすく噴き出し腹を抱えて笑う伊藤くんと三橋、それを見て呆然と立ち尽くする2人
ごめんな今井くん、俺顔だけはいいんだ!そう思いながらニヤける表情を必死で堪えて楽しそうに話す彼女達の話に相槌を打ちながら楽しく登校したのだった
--おまけ--
散々笑って涙の溢れた目元を拭いながら伊藤と共に学校へ向かう
女子2人と先に行ったAと、振られた今井を思い出すとまた笑える
「今井のやつ、Aに女子取られてやんの!」
「はー面白…まぁ仕方ねぇよAくんモテるからなぁ」
最近下駄箱で紙を集めていたAを思い出す
あれラブレターだったのか!
「…今井が振られんのは楽しいけどAがモテるのは許せん!」
「なんでだよ、さっきまで笑ってたじゃん」
「なんかこう…モヤァってする!俺にだって彼女居ねーのに!」
「へー、嫉妬か」
「そんなわけねぇだろ!俺以外が幸せになるのが腹立つだけじゃ!」
Aに彼女…
Aが女子と歩いているところを想像しまた腹が立った。
さっきのは面白かったから許すが、次女子と2人で歩いてるの見かけたら邪魔してやる
「お前今凄い悪い顔してっけど」
「その時はその時だ…」
「聞こえてねーな」
今はこの場にいないAに同情する伊藤だった
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作成日時:2019年9月7日 1時