《限界メンバー》彼らと過ごす日々2

友達以上…？　kn ページ22

※学パロ！

『かねご〜ん、帰ろうよー』

隣のクラスの扉を開けて少し奥の席に座っていた彼に声を掛ける。

「ん、帰ろっか」

私が来るのを待っていたようで既に準備の終わった鞄を持ち上げた。

お互いが放課後用事が無い時は一緒に帰るようにしてる。別に決め事とかではないけど、まあ一種の習慣みたいなもの。

高校生にもなって男女2人で帰っていると揶揄われることもあるけど時が経てば当たり前になって今では誰も気に留めなくなっていた。

揶揄われてる時赤くなった彼の顔を見て期待を抱いたが想いを伝える訳でもなく曖昧な友達関係を引きずっている。

好きでもない人と毎回下校とかしないし休日に遊ぼうなんて誘うわけが無いから彼は私の気持ちに気付いていると思う。

いや分かんないか。あまりにも日常に溶け込んでしまったものだから伝わってない可能性は大いにある、しかも相手は鈍感だから。

無理やり距離を縮めたいとか告白しようとは思わない、どちらかと言えば告白されたい方なので来るか分からないチャンスに希望を抱いて隣を歩く。

でも案外この場所は心地よかったらするのだ。変に気を遣いすぎる事もなくドキドキ感を味わいながら彼の側に居られる。

「そういや明日暇？新作ゲーム買ったからうちでやろうよ。」

『めっちゃ暇、絶対行くね』

少し食い気味に答えてしまったので焦ったが彼が嬉しそうにしていたから大丈夫か。

「Aが来るなら楽しくなるね」

ずるいじゃん、その笑顔は。
唯の友達と思ってる奴でもそんな顔向けるのかな、でも良い顔見れたしなんでもいいや。

このもどかしい距離感はなんとなく好きだから、どうか悪い方向へは壊れないでね。

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