#016 汚濁-3 ページ18
太宰side
『おお。相変わらず凄まじいね。
幹部に推薦されないのが不思議なくらいだ。』
小型のブラックホールが周囲のビル
諸共呑み込み、消し去る。
彼らは何が起こったかも分からずに
この世から綺麗さっぱり消滅したことだろう。
怯えたように震えながら元幹部が
背を向けて走り出す。
丁度中也が破壊したビルの一部が
落ちてきていることも知らずに。
グチャリ
と音がした。
無論、異能なんて使う暇もない。
拠点になって居たビルが消し飛び、
中也以外にAと私だけがぽつりと
取り残された。
Aの周りだけビルが残っているところを見ると、
彼女の異能は周囲の重力さえも打ち消すらしい。
その他はアスファルトがめくれ、
剥き出しになった地面以外何も見当たらない。
皮膚が裂け、中也の口から血が吹き出た。
『…仕方ないなぁ。』
痣のような模様が浮かんだ腕を掴む。
中也は崩れ落ちた。
意識を失ったらしかった。
『お疲れ様』
預かり物だけは畳んで置いておいてあげた。
すこぶる親切だ。
帽子は乱雑に地面に置いた。
その方が怒り狂うだろうから。
私はいつものように中也を置き去った。
ついでにAも。
勿論これは親切心で…だ。
こんなにぐっすり寝ているのに
起こすのは可哀想だろう？
まあ、Aが風呂にも入らず、
一晩床で寝たとなれば不快感に
発狂するだろうけど。
中也？
中也は地面に置かれた帽子を見て
発狂するだろうね。
そのどちらも私のせいじゃない。
Aside
あまりに眩しいので目が覚めた。
良い天気だ。
中原のいびきが聞こえる。
寝顔だけは無邪気で可愛い。
『この部屋、見覚えないな。』
否、部屋ですらない。
天井は吹き抜けでそりゃァ陽当たりもいい筈だ。
言い方を変えれば野晒しと言うのだが。
あ、そういえば。きのう、
『あ"ーー』
やらかした。
あのまま寝たのか。私は。こんな場所で。
太宰のことだ。
ほくそ笑みながら帰っていったのだろう。
昨日の自分と太宰に腹が立って
手元の小石を何処かに投げる。
「いてっ」
それは寝ていた中原の額に
クリティカルヒットした。…ごめん。
…とりあえず帰ってお風呂に入ろう。
そして２度目の眠りについた中原を
私も太宰同様ーー
放置して帰った。
悪意は無い。
頭が一杯だっただけで
置いていかれた中也の反応が見たくなった…
なんてことでは全く無い。
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置いときもの(プロフ) - 黒木宙さん» コメント有難うございます！更新頑張りますのでお待ちくださいね！！体調に気を付けます！笑 (2017年7月17日 18時) (
レス) id: 001e2135c2 (このIDを非表示/違反報告)
黒木宙(プロフ) - 何時も楽しみにしています！次が待ち遠しいです笑体調には気を付けて頑張ってください！ (2017年7月17日 18時) (レス) id: 0545e227ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：置いときもの | 作者ホームページ：http://user.nosv.org/p/oitokimono/
作成日時：2017年6月15日 23時
