及川さん、転校します。

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寒い……。


今は4月中旬、暖かくてもいいと思うんだけどなぁ。


そんなことを考えているうちに岩ちゃん家に着いた。


鞄にいつも入ってる腕時計を見ると5時42分を指していた。


｢もーちょっとかなぁ……｣

岩ちゃんは俺を起こしに来るために50分に家を出る。

小さい頃からずっとだったから習慣になってるって岩ちゃん言ってた

つまり、もうすぐ会える。


数時間会ってないだけ、それだけなのに酷く淋しかった。


｢早く出てきてよ……｣


50分。

55分。

我慢ができなくてインターホンを押した


〔 はーい……あれ、徹くん？上がっちゃいなさい〜〕

｢はーい｣

ガチャりと見慣れた扉を引くと

岩ちゃんがムスーッと目の前に立っていた


｢どうしたの？｣

｢昨日お父さんと喧嘩しちゃってね〜
バレーの事だったから二人共譲らなくて｣


｢岩ちゃん、学校行こ？｣


すっと握手の形で手を差し出す



｢しかたねーな｣


にぃっと笑って俺が差し出した手を取った



その途端、まだ何もされてないのに

心がやられてしまっていた俺は


｢い”、い”わ”ぢゃ”ぁんんん｣

｢うおっきたねぇ！！｣

｢酷いよ！！｣


｢ほらほら、学校行ってきなさい｣笑


｢｢いってきまーす｣｣



ああ、行きたくない

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