砂糖とミルクとメヌエット【天祥院英智】 ページ9
「……あの、そんなに見るのはやめて欲しいだけれど」
さすがに恥ずかしいな、と苦笑するのは、我が学院の生徒会長さま。彼はティーカップ片手に、私をちらりと見やった。
「何故君は草むらなんかに隠れてるの？……おいでよ、別にとって食ったりはしないから。一緒にティータイムはいかがかな」
やっぱりバレてたか。実は、ガーデンテラスを通りかかったら、一人でお茶を嗜む皇帝陛下が見えたので隠れて様子を伺っていたところだった。
どうして一人で、と聞くより先に、彼は「たまには一人でお茶を飲もうかな、と思ったのだけれど」と切り出す。
「やっぱり寂しくなってね。君が通りかかってくれて良かったよ、ほら、座って。客人は盛大にもてなそう」
紅茶を淹れてあげよう、と彼は言う。断れる相手でもないので、気後れしながらも席についた。
「お砂糖は？」
「三つでお願いします」
「ふふ、随分甘いのが好きなんだね」
優雅に微笑みながら、彼は角砂糖をスプーンの腹に乗せる。注がれた薄茶色の中にそれを沈め、砂糖が溶けていくのを見つめながら、彼は口を開いた。
「これはダージリンという茶葉なのだけれど、ウバ、キーマンに並んで「世界三大紅茶」と呼ばれていてね。ストレートティーでは最高級の品なんだ。君でも聞いたことがあるだろう？」
「……お詳しいですね」
「これでも紅茶部部長だからね」
「でもストレートティーよりミルクティーが飲みたいです」
中々我儘だね、と笑いながら彼はミルクポットを手にとった。落とされた純白と茶色が混ざり合って、まるで紅茶の中でシルクが溶けていくようだ。
「さあ、どうぞ」
王子様スマイルを浮かべた彼は、私の方にソーサーを押した。ふわり、と甘い紅茶の香りがする。
いただきます。そう言って、ミルクティーを一口。……さっきの仕返しか、と思うほど相手は私を見つめている。
「美味しい？」
「……結構なお手前で？」
「あはは、それはどちらかというと茶道だねえ」
くすくすと笑みを零してから、彼は思い出したかのように顔をあげた。それから、わざとらしく肩をすくめる。
「ああ＿＿＿僕としたことが、お茶菓子を忘れていたよ。もてなすなんて言ったのに、これじゃあダメダメだね」
「いえ、私は、」
「だから、明日も来てくれるかい？」
次は美味しいクッキーを用意するよ、と彼は微笑んだ。……最初から、そのつもりだったくせに。
けれど。この人の笑顔には、どうしても勝てないのだ。
いちごおれ【真白友也】＿＿＿シノン様リクエスト→←知らねぇよ、もう！【日々樹渉】＿＿＿成瀬様リクエスト
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誘宵(プロフ) - すみません！リクエストいいですか？できたらでいいんですけど（おともだーちー）の続きが見たいです！ (2018年9月4日 18時) (
レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - マイさん» リクエスト誠にありがとうございます。当方、伏見の小説をかいている途中なのでそのあとになりますが、よろしければかかせていただきます。 (2017年1月1日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
いーち(プロフ) - マイさん» はい、わかりました！ではその旨を伝えておきます。リクありがとうございました！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: 11ee66640a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» あ、ごめんなさい！そー言う意味か。作者様の名前ですね！えぇ〜そうですね！まめだいふくもち様でお願いします！！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» えーっと、とりあえず鉄虎君が出てきたらなんでもいいです！お願いします！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめだいふくもち/いーち x他1人 | 作者ホームページ：http://ない
作成日時：2016年8月12日 23時
