貴方がどこにいても、【月永レオ】＿＿＿茉里沙さまリクエスト ページ20
木陰の側、ゆらゆらと揺れる黄昏色の尻尾。学校指定制服の内側に着込んだ藍のパーカー、そして彼の目の前に広げられた五線譜たちを確認。
「……やっと見つけました」
小さな声で呟いたつもりが、無駄に耳の良い彼には聞こえていたらしい。後ろに結った髪をぴょこんと跳ねさせて、彼はバッと振り返った。
「あっ、A。A〜♪」
うっちゅ〜、といつもの独特の挨拶をしてから、彼は顎にペンを当てる。
「おまえ、なんでこんなところにいるんだ？大分、辺鄙な場所だと思うんだけど。……えっ、なんでおれがこんなところにいるかって？ダメダメ、なんで聞いちゃうんだよ〜！思考の停止は呼吸の停止と一緒！自分で考えて、その答えをおれに聞かせてくれ……☆」
「司くんたちが探してましたよ」
「無視すんなっ！！」
がるるる、とまるで猫のような威嚇をしてくる彼を軽くあしらいながら、五線譜を拾う。これはまた、何枚書いたのか……。
「あ、ちょっと！それおれの！拾うな、もっていこうとするなっ！！もうすぐで傑作が生まれるとこなんだからっ、たぶん！」
「多分て何ですか。皆でレッスンするっていったのは貴方でしょう、後でならいくらでも作曲していいから早くスタジオいきますよ」
ここで見逃したら負けなのだ。彼の方をみずに、私は手早く楽譜をまとめる。果たして後ろで彼はどんな表情をしているだろうか。
……と、急に不満げな声が聞こえなくなったことに気づいた。怒ったか、と振り返る。その途端、交差した翡翠色がじっと私を見た。
「……んじゃ、レッスン行くから。一つだけ、答えて」
いつも「考えさせて」とかなんとか喧しい彼が珍しい。そんなことを思いながら頷くと、彼は無表情のまま続けた。
「おまえ、なんでいっつもおれの場所わかんの？自分でいうのもなんだけどさ、見つからないような変な場所ばっか選んでんのに……」
言いながら、彼は不思議そうに顎にペンをあてる。……逆に、私の方が不思議だった。
「私が貴方を見つけられないわけがないでしょう？」
なんで、そんなにあたり前のことを聞くんだろうか。
すると彼は一回瞳をぱちくりと瞬かせた後、にへっと柔らかく笑った。
「……そっか？わはは、おまえ怖いな〜！！」
「なっ」
そのまま立ち上がり走っていく彼を、楽譜をばら撒きそうになりながら追いかける。
「＿＿＿＿そのまま、ずっとおれを追いかけててよ」
弾けるような明るい笑みで、レオさんはそう叫んだ。
なんなんですか。・前篇【葵ひなた】→←むかしむかしあるところに【天祥院英智】
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誘宵(プロフ) - すみません！リクエストいいですか？できたらでいいんですけど（おともだーちー）の続きが見たいです！ (2018年9月4日 18時) (
レス) id: 5537d07d79 (このIDを非表示/違反報告)
まめだいふくもち(プロフ) - マイさん» リクエスト誠にありがとうございます。当方、伏見の小説をかいている途中なのでそのあとになりますが、よろしければかかせていただきます。 (2017年1月1日 21時) (レス) id: 8f73a5bd97 (このIDを非表示/違反報告)
いーち(プロフ) - マイさん» はい、わかりました！ではその旨を伝えておきます。リクありがとうございました！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: 11ee66640a (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» あ、ごめんなさい！そー言う意味か。作者様の名前ですね！えぇ〜そうですね！まめだいふくもち様でお願いします！！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - いーちさん» えーっと、とりあえず鉄虎君が出てきたらなんでもいいです！お願いします！ (2017年1月1日 21時) (レス) id: dcde0ec6da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめだいふくもち/いーち x他1人 | 作者ホームページ：http://ない
作成日時：2016年8月12日 23時
