いちゃ ページ15
．
身体を洗い終え、もう一度湯船に浸かる。普通の家より少し高く感じる給湯の温度は43℃を示しているが、環くんの実家はどうだったのだろう。
どこにいてもずっと彼の事ばかりだななんて浮かれて、顔を湯船に沈めて息を思いっきり吐き出した。
ぽこぽこと大きな気泡が水面に浮かんでは豪快に消えてゆく。
少しだけ考えごとをして、一気に立ち上がった。湯船に入っているときはなんだかインスピレーションというか想像がどんどん浮かぶ。
確か、何処かで見たそういう想像の湧きやすい場所ランキングの中に風呂もあった気がする。どうでもいいやと首を振って、髪からずっと滴っていた水滴をしぼって落とした。
タオルで拭き終わりドライヤーもかけて、私の部屋に向かう。適当に入れた水をぐいと飲み干して流しに置いたあと部屋に入ると、未だにタオルで自身の髪をもさもさと乾かしている環くんがいた。
「やる？」
「……ありがとう」
タオルを受け取って、環くんの髪に当てる。髪の根元に指を添えて優しく動かすと気持ち良さそうな顔をしていて、なんだか嬉しい。
ふにゃーっとした顔をしていた環くんは、1分程経った時にはっ！と目を見開いてこちらを見た。「どうしたの？」と声をかければ、口ごもり目線を伏せる。
「寝る時…どうするんだ」
「ああ、うち布団予備のやつ私の引越しで持ってったから無いよ」
「エッ」
「だから私のベッドで２人かなー入るかなー」
「ま、ま、待っ」
なぜか慌てて牽制するかのように顔の前でてを勢いよく振った。「それは無理」とかなんとか言いながら耳を桜色に染めている。かわいいーとか言ってほっぺをむにむに掴んでいると、ガチャリと部屋のドアが開く音がした。
「何イチャイチャしてんの」
「しらん、お母さん予備の布団ない？」
「ない」
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 261人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
詩月 - 少し気になっただけなのですが、詩月、って知りませんか？Twitterで仲良くして貰っていた子も、のの、だったので。無視して頂いて大丈夫です。作品面白かったです。 失礼しました。 (2018年7月1日 15時) (
レス) id: 2f2bddb1c8 (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - ののさん» いえいえ、大丈夫ですよ！気にしないで下さい……！ 私が勝手にコメしてるだけなので……(笑) 作者様のご都合もあるでしょうし、 何時でも待っますので！！(笑) (2018年1月20日 21時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 木乃狐さん» 木乃狐さん、またコメントしてくれてありがとうございます！みなさんのお陰です、これからも頑張りますね！返信遅くなってしまい申し訳ありません。 (2018年1月20日 12時) (レス) id: d43f97ddad (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - 以前コメントさせていただいた者です……。 評価100超えおめでとうございます！ 凄いですね、流石です！ ……それだけいいに来ました……すみません！！ (2018年1月5日 7時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - ミルクココアさん» 1から読んでくださり、ありがとうございます！はい、更新頑張ります◎ (2017年11月11日 14時) (レス) id: 3242c5aeef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：のの | 作成日時：2017年10月1日 3時
