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まちがっ ページ16




遠慮の気持ちが溢れそうなほどある中、恐る恐る掛け布団を持ち上げて脚を入れてみる。
Aの香りが鼻腔をくすぐってつい胸がいっぱいになったのは気のせいだろう。
隣にはにこにこと笑うAが。

ゆっくり布団を上から被せると、明らかに人の温もりからくる暖かさに肩を震わせてしまった。
左に顔を傾ければ、15センチメートルの距離にAはいて、吐き出される息がかかる。

「…ふ、環くん、緊張してる」
「そ……そりゃあ……こんな状況じゃ」

顔綺麗だなあ、と小さい声で呟いたAに疑問を覚えていると、布団の中から白く小さい手が出てきて頰を包んだ。
暖かいそれは、温度を自分の頰から、首、耳、身体中に伝えてゆく。

つい自分も右手を布団から出すと、その手はAのもう片方の手で握られた。
その手は熱く、まるで溶けてしまいそうなくらいで。

「ちょ、A、」
「ね、顔真っ赤じゃん」

「まって、Aも」
「ええー?」

ふたりで緊張して、なんて思っていたが、それにしては彼女の頬は異様だった。

そう、まるで、
アルコールを摂取したときのような……

「ま、まってA。部屋戻る前に何か飲んでなかった?」

「んえ〜…?なんか、冷蔵庫にあったやつ、てきとーに……」

ちょっと待っててと念を押して、布団から一旦出た。
部屋から出て右に進んだ所にある台所、冷蔵庫を開けてAが一番最初に手を伸ばしそうなところを見る。


そこで冷やされていたのは、大きく「焼酎」と書かれた瓶。

「…………はあ………」

頭を抱えるしかなかった。


おはよう→←いちゃ



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詩月 - 少し気になっただけなのですが、詩月、って知りませんか?Twitterで仲良くして貰っていた子も、のの、だったので。無視して頂いて大丈夫です。作品面白かったです。 失礼しました。 (2018年7月1日 15時) (レス) id: 2f2bddb1c8 (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - ののさん» いえいえ、大丈夫ですよ!気にしないで下さい……! 私が勝手にコメしてるだけなので……(笑) 作者様のご都合もあるでしょうし、 何時でも待っますので!!(笑) (2018年1月20日 21時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - 木乃狐さん» 木乃狐さん、またコメントしてくれてありがとうございます!みなさんのお陰です、これからも頑張りますね!返信遅くなってしまい申し訳ありません。 (2018年1月20日 12時) (レス) id: d43f97ddad (このIDを非表示/違反報告)
木乃狐(プロフ) - 以前コメントさせていただいた者です……。 評価100超えおめでとうございます! 凄いですね、流石です! ……それだけいいに来ました……すみません!! (2018年1月5日 7時) (レス) id: 80a40f84b1 (このIDを非表示/違反報告)
のの(プロフ) - ミルクココアさん» 1から読んでくださり、ありがとうございます!はい、更新頑張ります◎ (2017年11月11日 14時) (レス) id: 3242c5aeef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のの | 作成日時:2017年10月1日 3時

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