�� ページ18
「シンドバッド王が、ね〜」
私は昨夜の一部始終を大方説明し終えた。話しているうちにも、自分が粗末に扱われ 重ねて記憶にも残っていない事実を再確認するようで、心が痛んだ。言っても首筋に朱印を一つ つけられただけだが、されど私に取ったらショックだった。誰にでも分け与えるような愛を向けられたことが。小さなため息をつき、話の語尾を言い終わると 黙って聞いてくれていた紅覇は「好きのないあの王が、まさか女沙汰に弱かったとはねー」といいながらシンドバッドの意外な一面を受け入れていた。
「昨日の事は、私も うろたえすぎてた所があったから、そこは・・・まぁ、いいんだけど。あんまりにも無責任、っていうか」
「分かるよ、僕も自分の兄弟とかに そんな適当な扱い受けたらショックだしね」
「私はシンドバッドのおかげで1人の世界から、こんな素敵で明るい外に連れ出してもらえた。だけど、こんな悲しい気持ちになるなら 出たくなんかなかった・・・」
何故だか紅覇の前では本音がこぼれる。シンドバッドは愚か、シャルやヤムライハ、ジャーファルさんの前でも こんな本心を離すことなどなかったが、紅覇には隠そうという気持ちは湧いてこなかった。隣りを見ると、考え込む様子で私の話を真剣に聞いてくれる彼。少し横暴で、変わった人間ではあるけれど 自分のことを真剣に考えてくれる紅覇に、出会って間もなくも 我ながら結構な信用が生まれているようだった。
「シンドバッド王には、やっぱり直接話をするしかないよ。話聞く限り、あの人の女癖は生まれた時からのダメなところって感じがあるしね」
「うん・・・」
「それに、シンドリアの奴らもシンドバッド王の女癖を理解してるんだったら、今頃こってり絞られているかもよ？ほら、あの白髪で元暗殺者とかいう側近の人に 正座させられて ひぃひぃ言ってるのかも」
「・・・っふふ、確かに」
「やっと笑ってくれた」
「えっ、」
紅覇があまりにも具体的なことを言ってくるものだから、思わず笑みがこぼれる。ジャーファルさんに怒られるシンドバッド・・・何だか見てみたいものだ。そう思っていると、紅覇から返ってきた言葉は意外なもので、ふいに言葉が漏れる。反射的に彼の方を見ると、今までの中で一番 優しい顔をこちらに向けていた。
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めぐ♪(プロフ) - 完結したんですか？！もし続きがあれば更新してくれると嬉しいです！この小説好きなんで頑張ってください！！ (2017年1月8日 14時) (
レス) id: ca0d9f6759 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます。亀更新ですが、ゆっくりお付き合いいただけたら幸いです(*^_^*) (2016年6月25日 13時) (レス) id: 29317d202f (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2016年6月20日 22時) (レス) id: 339c76f228 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。これからも楽しく拝見して頂けるよう、精進して参ります！ (2016年5月22日 23時) (レス) id: de8a6904d2 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - この小説、好きです！これからも、頑張って下さい!!応援しています！ (2016年5月21日 15時) (レス) id: c41dbc4875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあ | 作成日時：2016年5月15日 12時
