�� ページ15
「失礼します、シンドバッド王よ」
「ん、ああ・・・起きている」
三回扉をノックし、ゆっくりとした動きで部屋へと足を踏み入れたジャーファル。風呂に入り、洋服を整えたシンドバッドはジャーファルが来るのを待っていたかのように、横長いソファに腰を掛けていた
「今朝は早いのですね」
「はは、ちょっとな。早く起きる日も 俺にだってあるさ」
和やかな朝のにおいに乗せて、優美な会話を数回交わしていた・・・矢先、シンドバッドの丁度右頬にギリギリ触れるように、何かが かすった。その突然の事に、笑みをこぼしていたシンドバッドは、目を見開いたまま口を閉じれないでいた。自分の右頬をかすったものを見てみると、それはジャーファルがいつも戦闘の時に使っている、愛用の飛び道具。長い紐に繋がれたあのナイフだった。たちまち背筋が凍る感覚を迎えたシンドバッドは、さっきまで穏やかな笑顔を向けていた部下を 恐る恐る見つめ直す。だが、そこには先ほどまでの優しい雰囲気は皆無。ただただ純粋な殺気を自分へ向けているジャーファルの姿があった。
「早く起きる日もあるんですねーそうですかー・・・ふふ」
「ど、ど、どうしたんだジャーファル。今朝はやけに元気がいいじゃないか」
「正直に私に話してくるんでしたら、もっと穏やかに事を進めようと思っていたんですけどね・・・貴方が どうしようもない七界の女たらしという事は、重々承知しておりましたが。まさか自分の思いで自国に連れてきた、あんな純真無垢な少女にまで 手を出そうとは・・・」
「ま、まて。話し合おう。まずはこの鋭くとがったナイフを」
「昨夜の事実を話そうとしていなかったのに、迫られた瞬間 話し合いを乞うとは全く何て都合のいい・・・」
「あー。ほ、ほら朝会議が終わってからにでも、」
「黙れ。今までは自分から王に身を捧げると言う女性ならと思って目を瞑っていましたが、今回の事ばかりは きっちりと落とし前をつけて頂きます」
元暗殺者の目をギラつかせ、まさに視線で食い殺そうと言うくらいの表情で自国の王を睨みつける。この顏になったジャーファルからは逃れられないと、長年の付き合いで承知しているシンドバッドは、これから起こる地獄の説教に 頭を抱える他なかったのだった。
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めぐ♪(プロフ) - 完結したんですか？！もし続きがあれば更新してくれると嬉しいです！この小説好きなんで頑張ってください！！ (2017年1月8日 14時) (
レス) id: ca0d9f6759 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます。亀更新ですが、ゆっくりお付き合いいただけたら幸いです(*^_^*) (2016年6月25日 13時) (レス) id: 29317d202f (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2016年6月20日 22時) (レス) id: 339c76f228 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。これからも楽しく拝見して頂けるよう、精進して参ります！ (2016年5月22日 23時) (レス) id: de8a6904d2 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - この小説、好きです！これからも、頑張って下さい!!応援しています！ (2016年5月21日 15時) (レス) id: c41dbc4875 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあ | 作成日時：2016年5月15日 12時
