�� ページ11
「ふ、ははは。」
「な、なんでわらうの・・・」
「いや、あんまりにも君が可愛いかったもので」
ほら、またそういうことを言う。もういい加減女たらしの口説き文句を訊くのは飽きてきたところなので、無駄とわかっているけれど彼の大きな胸板を 再び押し返す。シンドバッドはすごい男だけれど、本当女の子のことになったら見境がないと言うか・・・だらしない。ジャーファルさんが苦労するのもわかる。深いため息をついていると、ふいに両掌を そっと包まれる感覚がした
「さっき女性が部屋から出て行ったと言っていたが、俺が追い出したと言ったらどうする？」
「え・・・？」
一点に私の眼だけを見つめてくる瞳に、動くことができない
「Aがいると気付いたから、追い出したと・・・そう言ったら？」
「な、なにを・・・」
なにそれ。その言い方、私を呼ぶためにあの女性を追い出したって 言いたいの？
「それに、Aの言っていることは正論ではあるが・・・それは”嫉妬”をしてくれているのだろう？俺が、他の女性と夜を過ごしていたから。そんな可愛いことをされると、やめろと言われてもやめられる気がしないんだが」
「ちょ、なに勝手に解釈をして・・・！」
かぁっと顔が一気に熱くなる。シンドバッドがそれに気付いて見透かしたように頬を緩めた。耳まで真っ赤になったのは初めてで、でもそれは同時に彼が言っていることが的を射ていると教えているのと一緒で、二重の意味で恥ずかしさがこみ上げる。い、いやいや嫉妬？嫉妬って、少なからず好意のある人間にしか生まれない感情であって、私がシンドバッドになんてあるわけ・・・！
「そ、そう！嫉妬なんてあるわけない！わ、私は本当にシンドバッドの将来を心配して・・・！」
「はは。どちらにせよ嬉しいね」
「し、信じてないなその返事・・・」
「しかし、それはAも同じじゃないのか？」
「は？」
思わず間抜けな声が出た。私も、同じ？私も何かシンドバッドに嫉妬されることをしていた、という事か？権力も実力も手に余るほどある、彼に？
「マハラガーンのときは楽しそうにしていたな」
「え？あ、うん。いろんな人と喋れて・・・」
「誰と話していたんだ？」
「え、っと・・・シャルルカン、と紅覇かな」
それがなに？と聞き返すも、彼からは いいや？とだけしか返ってこなかった。なんだよ。何も嫉妬させるようなことしてないんじゃんか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 319人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めぐ♪(プロフ) - 完結したんですか？！もし続きがあれば更新してくれると嬉しいです！この小説好きなんで頑張ってください！！ (2017年1月8日 14時) (
レス) id: ca0d9f6759 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 椿さん» コメントありがとうございます。亀更新ですが、ゆっくりお付き合いいただけたら幸いです(*^_^*) (2016年6月25日 13時) (レス) id: 29317d202f (このIDを非表示/違反報告)
椿(プロフ) - めっちゃ面白いです！！！！！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2016年6月20日 22時) (レス) id: 339c76f228 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 三毛猫さん» コメントありがとうございます。これからも楽しく拝見して頂けるよう、精進して参ります！ (2016年5月22日 23時) (レス) id: de8a6904d2 (このIDを非表示/違反報告)
三毛猫(プロフ) - この小説、好きです！これからも、頑張って下さい!!応援しています！ (2016年5月21日 15時) (レス) id: c41dbc4875 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆあ | 作成日時：2016年5月15日 12時
