26話 ページ28
ルルーシュがブリタニアについさっき飛び立ったと聞いた時には流石に驚いた。が、恐らく兄上に直談判をしに行ったのだろうとは直ぐに予想がついた
ス「ルルーシュ大丈夫かなぁ...」
貴『.....』
スザクは私の頭を撫でながらぼんやりとルルーシュの心配をしていた。
スザクも私も分かっていた。一度こうと決めたことを簡単に曲げてくれる兄上じゃない。そんなに生優しかったらそもそも遠征と称したバカげた計画なんて立てない。ああ見えて...いや、意外と見た目通りかもしれないけれど、兄上は頑固者だ
貴『ルルーシュがもしダメだったら私が行く。土下座してでも何してでもスザクを行かせたりしない』
ス「A...ダメだよ女の子が土下座なんて...」
貴『必要があればする。要求があるのならなんだって飲む。スザクを失うくらいなら...私...』
そこまで言ってまた息が詰まる。スザクを失うかもしれないという事実を受け止めきれなくて、苦しくて苦しくて吐き気がする。気持ち悪い。
はぁはぁと肩で息をする私の背中を慌てたように...でも安心させるかのように優しく刻み良くトントンと叩いてくれる
ス「ごめんね...またAにこんな思いさせるなんて...僕は男としても君の恋人としても失格だな...」
スザクは困ったような苦笑いを浮かべる。
本気でそんなことを思っているのかこの男は。ついこの間ルルーシュに「僕達ほど相性ピッタリなカップルはうんぬん」とか言ってドヤ顔してたくせに。
私と世界を守ると誓ったくせに
貴『男としても恋人としても...スザク以上の人なんていない...スザクが私の1番なの。私を守ると誓った騎士。貴方以外がいいなんて思ったことすらない...私はスザクじゃなきゃ嫌...失いたくない...』
ス「...」
私は知っている。兄上と同じくらい...いいや、兄上なんかよりももっと頑固なスザク。もう彼の中では極西の地へ行くことは決定事項なのだろう。私がいくら懇願しても兄上もスザクももう決めているのだ。
_世界は、人はこんなにも思い通りにならない
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作者名:ぴー | 作成日時:2019年3月1日 2時