検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:5,617 hit

第四話 ページ6

ガラガラガラ…

男「……。」

一人の男が布で覆ったものをストレッチャーに乗せて押している

男「やっと着いたか。遅かったな。」

男「すまんな、院長と奥様から慎重に運ぶ様に命令されてて。」

男「これで全員か?」

男「いや…あと一人来る。」

男がストレッチャーをとある部屋に入れると、また遠くからガラガラと音が聞こえてきた

男「あれで最後か?」

男「あぁ。」

男はバサッとストレッチャーを覆っていた布を取った

男「可哀想になぁ…まだ学生だったんだろ?うちの娘と変わんないじゃないか。」

男「今生きてれば奥様と同じ年だったんだろうな。えーと…確か名前は…。」

パキキ…ポキポキ……

男「今まで冷凍室で保存しといたからわかんなくなっちまったな…あ、そうだ。」

男はストレッチャーに付けられてた名札を見た

男「雪村千鶴だ。」

だらんっ

今まで体を覆っていた氷が溶け、ストレッチャーから腕が垂れ落ちた



今私は不思議な空間にいる

言葉に言い表せない様な…暗くて重い空間だ

???「…君が。」

貴「貴方は?」

目の前に一人の少年がいる

???「君が……ね、ぼ……る…。」

少年の声にノイズが走り、聞き取りづらい

まるでトランシーバーを聞いている様だった

貴「待って、貴方は誰なの?」

???「君は。」

《全ての初まりを知りたくないか》

いきなり少年の顔が近くなり、Aは慌てて後ろに下がった

???「……君にはまだ聞こえない。だから、待っててよ。」

貴「待つ…?何の事を言ってるの?」

???「……。」

少年は何も言わずに消えて行った

その瞬間、ドクンと左目が脈打った

貴「ゔっ……。」

Aは思わず左目を押さえ、その場に座り込んだ

そして左目の視界が赤くなり、不思議な映像が流れた


『……の撰の字は手偏の…』

『……ッッ!!!!』

ドガッ

『……可哀想な子達の事を…』

『気にす……』


貴「今のは…?」

しばらくして映像が途切れ、視界が元に戻った

そしていつの間にか自分の部屋のベッドの上にいた

貴「(何なの今のは…事故以来左目がずっとおかしい…視界が赤くなったり、変なものが見えたり…そしてあの少年は誰なの?)」

Aは眼帯を取ると、そっと両目を閉じた

貴「(落ち着こう…きっと疲れてるんだ。今は休もう…明後日から忙しくなるから、今の内に寝ておこう……)」

第五話→←第三話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.2/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼SSL , 幽霊病棟 , 看護師
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - 応援してます。 (2016年2月12日 8時) (レス) id: ea4864e433 (このIDを非表示/違反報告)
お市(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» ありがとうございます(・ω・)ノ (2016年2月11日 22時) (レス) id: 84ad100c84 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素晴らしいです。 (2016年2月5日 8時) (レス) id: 31810be0da (このIDを非表示/違反報告)
お市(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 更新頑張ります♪(´ε` ) (2016年1月4日 0時) (レス) id: 84ad100c84 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 凄いなぁ〜続き楽しみです。 (2016年1月2日 19時) (レス) id: 1f9b476f01 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お市 | 作成日時:2015年12月19日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。