【あんスタ】巴日和に愛されて【巴日和】

愛らしきハイエナの成長 ページ6

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とある昼の休み時間。



私は1人、いつものように音楽室に引きこもり、日和くんのソロ曲作りに励んでいた。



(Aメロは順調だったけど、流石にその後も……って訳にはいかないか)



持っていたペンを少し乱暴に起き、ふぅっと窓の外を見て一息つく。



冬特有の雰囲気を纏った空は、低く、空気の冷たさを感じさせる。



夏の空を思い出すも、それがどんなものだったかは、鮮明には思い出せない。



夏の暑さも、空気感も、纏わりつく汗も。



もう10何年も見ているというのに、不思議なものだ。



(……お腹空いたな)



ふっと時計を見てみれば、昼休み終了まで半分を切っていた。



そりゃあお腹も空きますわ。あ、でも何も買ってない。



でもなぁ……今頃買いに行っても何もないだろうし、何より面倒くさいんだよなぁ。



何か良い案はないだろうか、と試行錯誤を繰り返した結果、私は1つの答えに辿り着いた。









ガコンッと音を立て、それは自販機の受取口に落ちてくる。



それを手に取ると、手の冷たさとは真逆の少し熱めの缶のプルタブを開け、口をつけた。



(旨っ……スープ旨っ！)



冷えた体を芯まで温める温かさが、食道を通っているのが分かる。



これで食事が済むというね。良い時代に生まれたものだ。



次はトマトスープでも買ってみようかなぁ、なんて呑気なことを考えていたら、後ろから「A先輩」と声を掛けられた。

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