父の肖像 ページ4
Aside
『やっと日常が戻ってきた』
入れたばかりのコーヒーを片手に探偵社の様子を眺め云えば、敦が「そうだね」と微笑む
『あ、そうそう。君、昨日あの後どうしたの?』
ニヤッと笑いながら敦の顔を見れば、当の本人は首を傾げた
『不届き者を退治した後の事だよ。うずまきでルーシーちゃんと追いかけっこしてただろ?君にも春が訪れたのかなぁ、と』
敦「あの場面のどこを見たらそうなる訳!?」
ジト目の敦に笑い返せば、呆れたようにため息をつかれた
……解せぬ
国木田「お前達、無駄話をしている暇があるなら仕事をしろ、仕事を」
敦「あ、はい!すみません!」
『はーい』
わなわなと拳を震わせている国木田さんに云われ、早足で自分の机に戻る
危ない危ない、もう少しで拳骨が降ってくる所だった
内心でホッとしながら、任された仕事を片付け始めた
乱歩「敦君、この依頼行っといて!」
敦「えぇ!?」
『おや』
これは珍しいことを聞いたぞ、と乱歩さんの方へ顔を向ける
見ると、敦の肩をペシペシと叩いている乱歩さんの姿が
敦「む、無理ですよ!乱歩さんの事件を僕なんかが…」
お馴染みのネガティブ発言に、アハハ…と苦笑いを零す
しかし、乱歩さんは敦の言葉など聞こてないかのように「頼んだよー」と云って自分の席に戻ってしまった
がっくしと肩を落とす敦と自分の席でお菓子を食べ始めてしまった乱歩さん
『がんばれー敦ー』
何だか敦が可哀想に思えてきたので応援の言葉を掛けると、ススス…と私の席に近づいてきた敦
敦「Aちゃん…」
『ん?』
敦「一緒に来て!!僕一人じゃ絶対に無理!!」
『え』
勢いよく頭を下げられ、呆気に取られてしまった
私だって乱歩さんの事件を解決するなんて出来る気がしないんだけどな…と、チラリと視線で乱歩さんに助けを求める
乱歩「良いんじゃない?でも、事件の解決は敦、君がすること。これはもう君の事件だからね」
何処と無く真面目な声音の乱歩さんを見て、私も少し考えてから敦の方へ顔を移した
『いいよ、一緒に行く』
私の言葉に顔を輝かせる敦。しかし、「事件の解決は僕がするんだよね…」とすぐに肩を落としてしまう
『私も手伝うからさ、ほら』
クイクイッとサスペンダーの紐を引っ張っても反応無しの敦
そんな敦を見て乱歩さんが云った
乱歩「困ったら、花屋を探せ」
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無継(プロフ) - SKY理科グループさん» ありがとうございます!そう言って頂けてとても嬉しいです!これからも楽しんで頂けたら幸いです! (2022年11月24日 20時) (レス) id: 5ee474ed94 (このIDを非表示/違反報告)
SKY理科グループ(プロフ) - おもしろかったのです!頑張って下さいなのです! (2022年11月24日 17時) (レス) @page6 id: 604fe2f924 (このIDを非表示/違反報告)
無継(プロフ) - 箱さん» そう云っていただけてとても嬉しいです。ゆっくりとですが、お話はちゃんと続けていきますのでこれからも楽しんで頂けたら幸いです。 (2022年11月20日 23時) (レス) @page6 id: 5ee474ed94 (このIDを非表示/違反報告)
箱 - ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2022年11月20日 21時) (レス) id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無継 | 作成日時:2022年11月13日 14時