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複雑な胸のうち ページ18

藤ヶ谷side




横「ふたりとも今やっとバスに乗ったから、あと10分くらいでここに着くと思うってさ。」




小さな出張所の電話ボックスから渉が顔だけひょこっと出す。




横「うん、そうそう。別荘は圏外で連絡のしようがないから、みんなでここで待ってるから。」




遠くに渉の声を聞きながら空を仰ぐ。




参ったな…。


Aはタマが好きで、タマもAのことが好き。


だけどタマは俺とAの仲を勘違いしていて、傷つくことを恐れてAから逃げた。



そこに付け入ってAを奪うなんてやり方、フェアじゃなくて俺はゴメンだって思った。




ちゃんと俺のこと知って、心から好きになってほしい。



タマの代わりなんて絶対嫌だ。





そう思って、正々堂々タマと勝負することを選んだけど、出鼻を挫かれたような気分がする。




ふたりして飛行機に乗り遅れるとかどんだけ運悪いんだよ。



いや、俺からしてみたら運いいのか…。




やっぱりタマとAがふたりきりでいると思うと落ち着かない。



もしも、もう一度Aがタマに告白をしたら?



頭の片隅にいつもその考えがあって、答えはもう決まってるも同然。




ふたりは晴れて両想い、俺はAを諦めきれず苦しい毎日…。



いけねー…想像するだけでヘコむ…。




やるせない気持ちで地面をぼんやり見つめていると、後ろからポンポンと肩を叩かれた。

彼女の友だち→←安全の為に



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HRS(プロフ) - 誤字脱字直しました。渉「」→横「」、ミツ「」→北「」に手直し済みです。 (2014年11月3日 23時) (レス) id: 46edfaf00b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:HRS | 作成日時:2014年10月30日 12時

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