大っ嫌いだよ おにいちゃん

路地裏と黒獣と白虎と4 ページ9

「そして僕約束は守る」

そう云って芥川の黒獣が敦の脚を奪い取っていった

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」

敦は発狂したと思ったら壁に手と足で立っている状態だった

「そうこなくては」

『あっ！龍ちゃんが嬉しそう
何々!?白虎と戦えるのがそんなに嬉しいの？』

「五月蝿いA」『ふぃー』

そこから敦と芥川の対決が始まった

「芥川先輩！」

「退がっていろ樋口
御前では手に負えぬ」

『樋口ちゃん駄目だよ危ない
龍ちゃん！前！』

「疼いッ」

芥川はバリアのようなモノを瞬時に作り攻撃を防いだ
だが虎の威力に負け壁に打ち付けられた

「おのれ！」

「銃弾が通らない......？」

樋口が銃を虎に向けて撃った
だが銃弾は中っているのに通らない
虎の標的が芥川から樋口へと変わった

「何をしている樋口！」『馬鹿！樋口ちゃん！』

『異能力
───────────光と風と夢─────────
風！』

Aがそう唱えた瞬間強風が虎めがけて放たれた

『龍ちゃん！』

「分かっている
────────────羅生門･顎──────────」

「ち......生け捕りの筈が」

芥川の攻撃で真っ二つになった白虎

この勝負芥川の勝利かと思われたが...

倒れた白虎が風に舞いながら消えて行く

「細雪......！」

ニッと不適な笑みを湛える谷崎

「今裂いた虎は虚像か！
では─────」

いつのまにか虎は芥川の背後をとっていた

「羅生門･ムラクモ─────！」

笑顔を浮かべ虎に向かっていく芥川

『やめろ龍ちゃん！』

Aの制止の言葉も届いて無いようだった

そこに現れたのは

「はぁーい
そこまでー」

『「なッ......」』

「貴方探偵社の───！
何故ここに」

「美人さんの行動が気になっちゃう質でね
こっそり聞かせて貰ってた」

「な...真逆

盗聴器!?
では最初から──
私の計画を見抜いて」

「そゆこと」
にっこりと作り笑い100％で答える太宰

「ほらほら起きなさい敦君
三人も負ぶって帰るの厭だよ私」「う.....」

ぺちぺちと太宰に頬を叩かれている敦
起きる気配は一行にない

「ま...待ちなさい！
生きて帰す訳には」

「くく...くくく止めろ樋口
お前では勝てぬ」

「芥川先輩！でも！」

『無理だよ樋口ちゃん
諦めな』

「A先輩まで...」

『太宰さん
今回は退きましょう────
しかし人虎の首は必ず私達マフィアが頂きます』

「なんで？」

「簡単な事
その人虎には────────」

路地裏と黒獣と白虎と5→←路地裏と黒獣と白虎と3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す