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香坂が無言で白石の腕を肘でつん、とつつく。
彼女が驚くのと同時に、西条先生がこちらを振り向いた。
「や、君に聞いたんだけど」
「あっ…、高さは8メートル、下は植え込みであり、植物の棚がクッションになったと聞いています。
初療時には、明らかな神経核的異常は見られませんでした。
…顔面外傷と考えて良いのではないでしょうか？」
おそるおそるといった様子で自分の意見を伝えた白石に、西条先生はこちらを振り向かずに聞き返す。
「顔面外傷だけか？」
「…頭蓋骨骨折も考えられるかと。
もしそうだとすれば、吹き抜け骨折や頭蓋底骨折、神経管損傷の可能性も、否定できません」
そこまで一度も詰まることなく言い終えた白石を、ようやく西条先生が振り返って立ち上がった。
「フェローシップで救命に？」
「はい」
「脳外科の西条だ、よろしく。
怖い上司に、潰されないようにね」
「…ぷ」
簡単な自己紹介のもと握手を交わしてから、西条先生はしれっとそんなことを言うものだから、隣にいた香坂が小さく吹き出す。
「喋る暇があるなら画像見たらどうだ。
…で、お前が気になることってのは？」
それまで近くの椅子に腰かけていた黒田先生が、呆れたように返して顎をしゃくった。
「本当に微妙な違いだったのでオペ前は言わなかったんですが、鼻の右横、特に損傷がひどかった部分が、変な固さがして……、あ」
「…なんだこれ」
黒田先生に説明しながらパソコンの画面を見ていた香坂の言葉がそこで途切れ、同じく画面を見ていた西条先生の顔つきが厳しいものになる。
「これ…」
形と長さから考えて────。
「釘、ですね」
俺の声が、静かにCT操作室にこだました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
(香坂)
炊き込みご飯を口に運びながら、私は隣のテーブルで愚痴のように独り言をぼやいている藤川先生をちらりと見つめた。
さほど遠くないところに、はるちゃんと他の看護師たちがいるのが見える。
────さすがに、あの中に入る勇気はないしなぁ。
そんなことを思っていると、藤川先生がばっと立ち上がって手招きをしだしたので、何事かと後ろを振り返る。
「こっちこっち！」
そこには、向こうからトレーを持った藍沢先生が歩いてくるのが見えた。
しかし彼は藤川先生のテーブルには見向きもせず、なぜか私の前の席にトレーを置く。
────ちょっと待って、なんでこっちなの…！？
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ほち(プロフ) - 続きとても気になります……！更新待ってます…！ (2月14日 9時) (
レス) id: 9d8af713d5 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - 更新待ってます！頑張ってください！ (2020年1月18日 10時) (レス) id: 572aeb701d (このIDを非表示/違反報告)
うたプリ大好き?(プロフ) - 続き気になってます この作品はもう更新されないのでしょうか？ (2019年8月24日 21時) (レス) id: 48370e286a (このIDを非表示/違反報告)
音夢(プロフ) - 続きが…気になります！！ (2019年6月21日 2時) (レス) id: 11609052e1 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - シリーズとても面白くて、1日で読み終えてしまいました！この小説でのコードブルーがとても好きになりました！ちなみに、劇場版は書かれたりするんでしょうか？お忙しいと思いますが、作成されたら飛んで読みに来ます！頑張ってください！ (2018年8月1日 18時) (レス) id: 132fe7823f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ayanel
| 作成日時：2018年4月4日 15時
