スリザリンの変わり者 (ページ38)

今日:2 hit、昨日:18 hit、合計:34,379 hit

パーティはどこでページ38

季節は肌寒い10月へと移り、日にちが流れるのを生徒達は心底楽しみにしていた。なんせ月末にはハロウィーン・パーティがあるのだ、大広間の飾り付けもそれに相応しいものになっている。

「ハロウィーン・パーティ、君はどこに座るんだい」

「そんなの大広間の椅子に決まっているじゃない」

パンジーはそんな2人のやりとりを見てやれやれと首を振ったが、Aがわざとドラコに言わせようとしていることは明白だったため口は出さなかった。

「君は……スリザリンかグリフィンドール、どちらの席で食事をするんだ」

「その日は自分の寮のテーブルでご飯を食べたい気分よ」

「ふん、本来ならそれが当然のことだ」

そっぽを向きさっさと歩き出した彼だが、その耳が赤らんでいたのでAとパンジーは顔を見合わせて笑った。

「A！」

そのとき背後から飛んできた声にパンジーは一気に不機嫌になり、Aに断りを入れずにドラコのあとを追った。

「3人ともどうしたの？何か面白いものでも見つけた？」

「絶命日パーティに招待されて、君も一緒にどうかなって」

3人の期待のこもった眼差しと、誘われる機会の滅多にないパーティ。しかしAは迷うことなく首を横に振った。

「ごめんなさい、ハロウィーン・パーティはスリザリンの皆と過ごすって約束したの」

「……僕達もやっぱりハロウィーン・パーティに出ようよ」

「参加するって約束したパーティに行かないなんてそんなこと絶対にしたくないって言ったでしょ」

ため息をつくロンを叱りつけるハーマイオニーも心なしか残念そうだ。Aは先約があるために断ったのだが、来たるハロウィーン当日、この判断が彼女を救うことになる。