『はい、私は今からメタ発言をします』太宰「そもそもメタ発言と云うのがメタ発言だと思う」中也「じゃあ手前もメタ発言してンじゃねェか」『ちょっと待って字面がメタ発言ばっかで読みにくくなってるだろうし本題に入れないから黙って』 ページ20
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──人間の全速力ってのはそう長く持ちはしないし、ただでさえ私はやつがれ君の体を背負っていた。
故にこうなることも、まあ頭の片隅にはあった。
「ッ、降ろ、せ!」
『うわッ──』
私の上でずっと文句を云っていたやつがれ君が、体力を失くした私の隙を狙い暴れる。無論走るだけで精一杯な私は、やつがれ君を気遣うことなど出来ず落としてしまう。一度呼吸が乱れたことで走り続けることもできず、ぜえはあと地面に膝を突いて息をした。
「大丈夫か」と織田作さんは冷静に言った。善人らしく、手を差し出す──やつがれ君はそれを睨んでいる。そんなことをしている場合じゃない。今まさに敵と邂逅しても何ら驚きはないのに。じりじりとした焦燥感が胸を焼く。
「俺は織田作之助。太宰の友人だ。お前をこの地獄の釜から脱出させに来た」
次の瞬間、織田作さんは頭を逸らした。先程まで織田作さんの頭があった空間に、やつがれ君の羅生門があった。
『ちょ、』
「貴様の名は聞いている。一介の最下級構成員だ」
「そうだ」
「太宰さんの……あの人の友人だと?」
「ああ」
織田作さんは下がっていろ、と私に目で合図をした。云われなくとも!
ニ、三歩どころでは無く、五歩ほど下がった。
カチャリ、と頭の後ろで音がした。
冷たい細長いモノが、私の後頭部に当たっている。
あ……あ、あー……これ、は…….。
「動くな」
そう云われても、死の恐怖を前に動かない人間などいるのだろうか。
恐る恐る振り向く。多分私の顔は引きつっていただろう。
『アンドレ・ジイド……』
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『で、さ。本題に入るんだけど』太宰「前回の続きね」中也「手前誰に向かって云ってンだ」太宰「それは勿論読んでくれている人に向かグッハ」中也「云わせねェぞ!」『お前らマジで黙れェェェ!!!』→←「はよ答えてみ」『えぇ……太宰さんとか』「お前の日頃の太宰さんに対する扱いがよくわかるな」『正解は?』「作者」『知ってた』
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ぴの(プロフ) - 白夜の世界さん» いえいえ!大好物ですね!レスありがとうございます! (2019年4月23日 21時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - ぴのさん» あああ!ありがとう御座います!まぁ確かに、何か切なくなってしまいました…小説の黒の時代に似せた結果です。苦手だったら御免なさい! (2019年4月23日 20時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 今日めっちゃ更新されて嬉しい!そして切ねぇ! (2019年4月22日 21時) (レス) id: 5f84d6c253 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界 - 鶴さん» うわああああ!御免なさい!中也さん黒の時代で全く出て来ないので…番外編で、ネタが思い付いたら書きますね!面白いって云って頂けて幸いです!! (2019年4月22日 10時) (レス) id: 15ab1d9eda (このIDを非表示/違反報告)
鶴(プロフ) - でも、とってもおもしろいお話です!続きが楽しみです! (2019年4月22日 9時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白夜の世界 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時:2019年4月3日 10時