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◇
「もう二度はないよ。逃がすわけないじゃん」
はは、だろうね。Aが自嘲気味に笑った。
多分、僕が言ったことを覚えているんだと思う。そして、僕が本当に強いってことも。
───でも、でもね。
もし僕が呪術を使わずに、術式を使った君や傑、それとあのヒモと戦えば、間違いなく負けるんだ。
僕がどれだけ百戦錬磨でも、僕がどれだけ過酷な任務を体術だけで終えたとしても。
「後にも先にも、僕がボロボロに負かされたのは、君と傑と、伏黒甚爾。たった三人だけだ」
だって今でも君の術式は視えないから。いつも通り、君の呪力で隠されているから。
もし今君の術式に関する僕の記憶を消して一戦交えれば、確実に負ける。きっとそうだ。
「A、僕は君のことが好きだよ」
教え子三人に、渋々Aを譲ってもらって、こんな形で言うなんて、何だか格好つかない。
でも多分、これで何も変わらなかったら…もっと酷い目に遭いそうだ。
「……あのね、」
私も五条くんと同じで、友達を失うのは嫌いだよ。Aはぽつりとこぼす。
まるでひとりごとのようだった。
「私も傑くんも、一回離反しそうになって、五条くんと硝子ちゃんに後ろめたくなって、」
高専四年の時から大学に行ってたんだ。
初めて聞いた。
昼間もAがいなくなって、硝子も傑も頑なに話してくれなかったが、大学に行っていたのか。…知らなかった。
「だから、ほんとは高専に戻ってくるのも…ちょっとだけ後ろめたくて
傑くんに誘われちゃって、流されるみたいにここに来た」
…もしかして、逃げるつもりだろうか。
僕だったらそうするかもしれない。…本気を出せば、Aは逃げ切るかもしれない。
「普段も凄く楽しかったけど…、でも、今凄く楽しいよ」
もう、ほんとにさあ。五条くんって。隣にいるAの声に、心臓が跳ねる。
「絆されたみたいだよ、私。五条くんに。あんなに酷いことばっか言ってきた五条くんに」
───私でよければ。
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
