噛んで拒んで ページ24
◇
「五条くん、助けてくれてありが…わっ、」
「あのさあ………もうちょっとちゃんと抵抗しなきゃ…」
Aはかわいいんだから、簡単に食われちゃうからね？ と疲れの色が滲んだ顔を、五条くんは私に向ける。
「…？ 私、呪術師だし…非術師相手に負けないと思うけど…？」
「相手が想像以上のポテンシャル持ってたらどうすんのさ
僕が来てなかったら危うくそこのホテルに連れ込まれてたかもよ？」
確かにそうだけど、でもそうそう負けないと思うなあ、甚爾さんに攻撃も防御もちゃんと教わったし、なんせ私だって特級の名を背負っているんだから。
「でも、私……んむ、」
五条くんの顔が目と鼻の先、というか目の前にある。唇に柔らかいものが当たった。
───五条くんに、キスをされている。そう理解するのは早かった。
「んぐ…っんむ、」
くぐもった声が路地裏の空気に溶ける。頬をするりと撫でられ、ちゅ、ちゅっと音が響く。
ど、どうしよう。これはさっき五条くんが言っていたことの実践なんだろうか。
思い立ったが吉日、五条くんの肩を掴み、グッと押す。しかし五条くんの標準より大柄な身体はビクともしない。おまけに口内を蹂躙されて。ちょっ、ちょっと待って、待って、まって。
「ん…っ！？」
こんなことは慣れているのか、口の中で暴れまわる五条くんの舌にされるがままに。
ちょっと待って五条くん、それ合意の上じゃないんだけど…！？ 私その…き、キスなんて、お母さんとくらいしかしたことないよ！？
しばらくすると、酸素が無くなってきて、じわっと視界が霞んできた。
眉をひそめると、ゆっくりと唇が離され、透明な糸が長く伸びて、ぷつんと切れた。
「ご、五条、くん、どういうつもり…？」
「僕言ったでしょ？ Aのこと好きだって」
だから何！？ と叫びたくなる。五条くんってやっぱりわけわかんない！！
ああもう、芽吹くん家に泊まったりすればよかった！ どうしよう、恥ずかしい。
「っわ、私帰る！！！！！！！！！」
五条くんに背を向けて、早歩きで帰路につく。
…結局帰る場所は同じになってしまうなんて言わないでよね。今は関係ないんだから。
＊
＊
＊
翌日。
元から聞いていた任務に向かうため、昨夜ぶりに芽吹くんと顔を合わせた。
とは言っても、昨日のことが頭の中に張り付いたままで、少し集中力が落ちている。…自覚済みだ。
「今日はよろしくね、Aちゃん！」
「う、うん！ こちらこそよろしく…！」
◇
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まいとりー。(プロフ) - 紅葉夕さん» 紅葉夕さん、コメントありがとうございます。嬉しいお言葉ありがとうございます！ すごく嬉しいです。楽しんでいただけてよかったです！！ 文字書き同士、一緒に頑張っていきましょう！！ (2022年8月26日 21時) (
レス) @page40 id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
まいとりー。(プロフ) - マリオットさん» コメントありがとうございます〜！この作品に貴重なお時間を使っていただけて本当に光栄です…。恋愛は書き慣れていないので私自身不安なんですけど、ぜひ楽しんでいただけるように頑張らせていただきます！！ 応援、本当にありがとうございます！ (2022年8月6日 19時) (レス) id: cfb5124360 (このIDを非表示/違反報告)
マリオット - 面白過ぎて…感動です… 応援してます‼ (2022年8月6日 16時) (レス) @page5 id: 4a1e7dbbbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぐちや | 作成日時：2022年8月5日 7時
