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「何故そんなこと…」

「何故?いまさっき言った通り…兄たちが許せないから」

ユーシスは笑顔を消した。

それを、ずっと一人で抱えてきたってことなのか…?

ずっとずっと、兄弟を恨みながらいつ殺してやろうかって…。

「…俺はどうすればいい?何をしてほしいんだ?」

「…見ていてくれればそれでいい、君の手を汚してほしいなんて思っちゃいないしそれは安心してよ」

ユーシスは背を向け歩き出す。

「兄たちに言いたければ、告げ口しても構わないよ…君がそれを選んだなら、僕もそれを受け入れる」

彼は立ち止まり振り返る。

「帰るよ、運転手さん……それと帰りにケーキ屋に寄ろうか、ほら!君の好きなあの…なんて言う店だっけ?」

俺の動揺を察してか、普段より明るい調子で話しているがその明るさも先程の話しを思い出すと、とても見ていられるものではなかった。









見ていてくれれば、それでいい…か…。


屋敷に到着して彼を部屋まで送り届けると自分の部屋へと戻りベッドに倒れ込んだ。


兄たちに言いたければ言えばいいだなんて…。

そんなこと、俺に出来るわけないだろう。


ネクタイが息苦しくて、無理やり解くと枕を引き寄せ抱きしめる。


あんな悲しそうな笑顔見せられたら、言うに言えない。

いや…はじめっから言う気もないけど…。


まさか、兄弟に殺されただなんて考えても見なかった。

彼の母親が死んだ要因を俺は聞いたこともなかったし、聞こうと思ったこともないし、それを聞いたところで死んだという事実は覆ったりしない。

今まで何度も何度も彼の兄弟たちと顔を合わせてきて、敬意を込めてお辞儀を繰り返してきたというのに…

これからは会うたびユーシスの言葉を思い出し腹の中をかき回されるような感覚に陥るのだろうか…。


もう、わけがわかんねえよ…。


枕を鷲掴みにし、壁に投げつけると寝返りをうった。

そのうち俺の意識は闇へと落ちていったのだった。

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(プロフ) - かなじぃぃいいい(´;ω;`) (2019年8月17日 14時) (レス) id: c2ed0d0fa9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:オチャネコ | 作成日時:2019年3月20日 19時

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