近界式恋愛【空閑遊真】 ページ9
「なあ、玲奈。俺はお前が好きだ。」
少々の間。
「え?」
すっとんきょうな声。
雅野玲奈。
初めての告白は
昼休みの廊下でだった。
・
・
修が空閑の世話係みたいなのになって。
席が近かった私は自然と空閑と仲良くなった。
滅茶苦茶だけど良い子。
ネイバーって知ったときも妙に納得した。
不良に絡まれた修助けないし。
足折れたって慰謝料ねだると
ほんとに足折ったし。
なんだか色々価値観変わってて
修の苦労は半端じゃない。
・
・
だからと言って!
公開告白なんざやるか!普通!
「あぁ…助けて修。皆の目線が痛い」
あれ以来私は『公開告白を受けた人』として
いろんな目で見られるようになってしまった。
「あはは…でも空閑は悪いやつじゃない。
ああいう告白の仕方もなくはないし。」
・
「うむ、日本ではあのやり方は不味かったのか。」
にゅっと空閑は顔を出して
ちょっと困った顔をした。
3の口がモゴモゴ動く。
「あっちでは皆ああやって告白してたぞ。」
空閑曰く、近界の告白の仕方は
日本と大分違うらしい。
「日本は人目を忍んで求愛してたらしいしね。」
「相当自信がない限りあんなことはできないよ」
修の一言は大きかった。
空閑は「なにっ…!」
と目を開き肩を落とした。
「つまり俺はナルシストになってしまったのか…」
・
なんか違う。
・
「あっちでは戦争の帰りなんかにやったぞ。」
敵の捕虜とか掲げて
『好きだー!』
って感じ。
なにそれ断りずらい。
「あっちのやり方じゃだめか。
まぁいいや」
一人で自己完結されても困るんだけど。
そう思ってたら空閑がニヤリと笑いながら
顔を近づけてきた。
「…好きだ」
ぼそっと耳元に一つ。
「これならいいんだろ?」
ヘラっと笑顔で宣戦布告されました。
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かなた - 茶飯事をちゃめしごとと読んだことに笑わせてもらいました笑 これからも頑張ってください笑 (2018年5月3日 19時) (レス) id: 1faed93ff6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:椿 | 作成日時:2017年9月14日 16時