検索窓
今日:11 hit、昨日:7 hit、合計:25,669 hit

赤リンゴ。毒リンゴ。 2【迅悠一】 ページ18

本来、下界に天使が降りる事は許されない。






ワタシはそれに逆らって、下界に落ちた。








男の子が泣いているのをほっておけなかった。







時代の変化、誤作動。




その結果ネイバーが生まれ、


干渉するはずのない地球と接触してしまった。








多くの人が犠牲になって、




ある男の子は母を亡くし、





またある男の子は姉を亡くした。








ワタシはそれを助けてあげたい。


































下界の食物の味も食感もわからない天使が






唯一食べられるもの。





好んで食べるもの。





それがリンゴ。







下界に植えた苗が大きくなって実になった。






これをユウイチにあげるの。









泣いてるとこなんか見せないで



サイドエフェクトって言う未来に





あっちこっち指図されて






全ての未来の責任を被ろうとする




ユウイチを助けてあげたい。






























あのね、ユウイチ。




これはとっても美味しいリンゴなの。



特別に貰ってきた。食べてね。


 




「なんだこりゃ。」




ある日家に戻ればからのぼんち揚の箱数個と





林檎と書き置き。






最近ぼんち揚ばっかり食べてたから



なんだか無償に食べたくなって。






しゃくっと一つかじった。




「あ、上手いわ、これ。」


真っ赤に熟した赤リンゴは今まで食べた






林檎の中で一番だった。







夢中になって、食べる俺は









いつしかその林檎の送り主の事を忘れてしまった。





____________________


連れられた先は処刑場だった。






罪は下界に落ち、人間に天界の物を渡したコト。







軽いようでとても重い。







周りの天使は皆、蔑んだ目でワタシを見下す。







でもいいの。






さっき少しユウイチの顔を見た。





はりつめた顔が柔らかくなって




メガネの子となにか話してた。









それだけでワタシは幸せ。





「処刑台に上がれ。」





無機質なトーンの声。







吊るされたワタシの下に一つのリンゴ。



とても青くて美味しくなさそうだ。






処刑人が何かを呟き、手に持つ刀を振り落とした。









リンゴは真っ赤に染まっていた。









「迅さん。それ誰にもらったの?」







「え?…誰かな。とっても可愛い子」

標的捕捉完了【絵馬ユズル】→←赤リンゴ。毒リンゴ。【迅悠一】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
23人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

かなた - 茶飯事をちゃめしごとと読んだことに笑わせてもらいました笑 これからも頑張ってください笑 (2018年5月3日 19時) (レス) id: 1faed93ff6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:椿 | 作成日時:2017年9月14日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。