にちじょうちゃめしごと。【WT】【短編集】 (ページ13)

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※ 乙女ゲームに手を出した【三輪隊】ページ13

なぜ、俺たちが乙女ゲームをやるはめになったか。

全責任は陽介にあることをここに記しておく。

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「しゅーじ！弾バカから乙ゲー借りた！
いっしょにやろーぜ！」

突然呼んだと思ったら、飛び付かれて叫ばれた。

先ほどから機嫌の悪い俺には大ダメージで

一発、鉛弾撃ってやろうかとも考えた。

「乙ゲーってなんだ？」

「…さぁ？」

いやいや、きょとんとされても困る。

最近よく見るアホの顔の陽介は

使い物にならない。

得体の知れないものを、俺１人(+a)で扱うのも

何だか面倒だし、こいつの正体を知ろうにも

何だか妙に聞きづらい。

出水に聞くのが一番だが、生憎近くにいない。

「奈良坂、古寺。付き合ってくれ。」

ほぼ強制的に、自己鍛練に励む優秀な仲間を

つれて、隊室に突っ込んだ。

蓮さんのパソコンに繋いで、乙ゲーを起動する。

あ、今さらだが奈良坂も古寺も

乙ゲーは知らないらしい。

起動早々、名前を入れろと言われた。

自分の名前を入れるには抵抗があったので、

そう言えば鉛弾の変わりに一発殴ったら

ちょっと色々あって伸びてしまった。

陽介の名前を入力した。

『私の名前は米屋陽介！』

「………っあはははははははは！げほっ、ははははははははへへはひははははへはははははは！！！！」

笑った。

とにかく笑った。

幼児向けアニメのような声で

陽介の名前とかミスマッチすぎる。

「あはははははははははははは！ふはっ…
ははははははははははははげほっごほっ」

奈良坂がダメになった。

落ち着いた古寺が次に進めようとクリックする。

『新しい学校にちょっとドキドキ。

新しいお友だちできるかな？』

「ぶはっ、やめろ…あはははははははは！

だめにっ、なるからっ、」

奈良坂は壊れてしまったらしい。

というか陽介がお友だちとか言うわけない。

冷静にツッコむが腹筋崩壊は近い。

三輪隊は今結成以来一番笑っていると思う。

『どうしようっ、遅刻しちゃう急がなきゃ…きゃっ』

画面の中の少女(陽介)が角に曲がるときに

ぶつかって尻餅をついた。

…陽介なら遅刻はあり得る。

「ごめんっ、可愛いお嬢さん。

怪我はない？」