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以前、同じバスケ部一年で同じクラスの高尾くんが、見事に私の視線の先を見抜いたことがあって。
私、高尾くんの前でそんなにじろじろ見てたかなあ、と思い返すけれどそんな記憶は無くて、
無意識ってこわいね、と言ってみれば『大丈夫大丈夫!』と笑顔で返された。
先輩にバレていないならそれでよかった。
分かられたらもう、笑ってくれなくなるかも、とか、想像するのはいつも最低なことばかり。
「そんな感じで今日の練習もしんどかったよ」
下校中。緑間くんを送り届けた後。高尾くんは私の知らない先輩の話をしてくれる。
余計なことは言わなくてもいいのに、あの影の片方は先輩だった、とかそういうことまで言ってくる。
「私、存在を消す方法は調べてるし、それがニアリーイコールで諦めたいってことになるのかな、っていうのは思ってるけど、現実を突きつけてほしいなんて思ってない」
ちょっと強めの言い方をすると、高尾くんは軽めに謝ってきた。
「..まぁ別に」いいけど、のいいけどを省略したら、意地悪な解釈をされた。
好きな人以外はどうでもいいんだもんな、と、少し意味深な言い方をされてムッとなったけど、それまでだった。
最初に言い方を強くしたのは私の方だったし、で締める。
先輩の家がこの辺りじゃなくてよかった。
私が何も言わないのを、高尾くんがちょっと気にした様子で口を開く。
「…告白しちゃえばいいのに」
提案だった。
何とも受け入れ難くて、言いたいことに合った言葉が見つからなくて、私はやっぱり黙ったままだった。
楽になるよ少なくとも今よりはな、って言われて、
楽になっている自分を想像する。
よかれと思ってした提案なのだろう、けれど。
「・・あー、でも、だめだ」
「だめなの?」
「うん、だめ」
先輩、宮地先輩。
先輩の彼女、私とチャンネル争いとかするんですよ。
私は目を瞑って、姉の帰りが遅い日を思い出す。
言わないけど。
絶対一生言えない言えない言わないって何度も何度も、
ねえ、どれくらい押し殺したと思いますか、先輩。
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ラッキーカラー
あずきいろ
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沖司ハナ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 私も箱で好きなので分かります…!!僕司くんも(色んな意味で)突き刺さりますが俺司くんもいいですよね…!!!(*´ч`*) (2018年5月18日 23時) (レス) id: d1c2852cff (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 沖司ハナさん» 涼太も大好きです格好いい 帝光中新旧SF組と大輝と征十郎(俺司)が好き 1番は祥吾様だけど (2018年5月12日 0時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
沖司ハナ(プロフ) - 矢沢さん» はじめまして!! 4時は遅くないですよ!!←(逆に「おはよう」って言ったら超健康的な人で誤魔化せるレベルです!!笑←)) 大好きだなんてめちゃくちゃ嬉しいです…!!ありがとうございます(;;) (2018年4月30日 15時) (レス) id: d1c2852cff (このIDを非表示/違反報告)
矢沢(プロフ) - (めちゃくちゃ)夜分遅くに失礼します。どの話もとても素敵で、もう、大好きです… (2018年4月21日 4時) (レス) id: a47852303b (このIDを非表示/違反報告)
沖司ハナ(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» 灰崎くんかわいいですよねわかります!!!(食い気味)← コメントありがとうございます!! 期待に応えられるように頑張ります…!! (2018年4月15日 15時) (レス) id: d1c2852cff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:沖司ハナ | 作成日時:2018年3月16日 1時