【創作論破】ダンガンロンパx-1【Part 5】

脳はクラクラ、負才でバラバラ - (非)日常編 - 31 ページ46

紫「……はぁ……ぁ……白波サン、大丈夫っスカ……！？」

少し遠くのところで、急いでここまで走ってきたのであろう舞灰くんが肩で息をしていた。何も言わずに飛び出してしまったことが途端に申し訳なくなる。

咲「だ、大丈夫。爆弾、解除出来たから……」
紫「そうだったんですネ……えっと、よかったデス……」

それ以上の会話は特に広がらず、お互いに黙りこくってしまった。

真「咲良ちゃんは紫紅君と一緒に居たんだね。一人で走ってきたから、ちょっと吃驚したんだ」
咲「あっ、うん。舞灰くんと美術室の片づけをしてたの。それで爆弾を見つけて……一人で、勝手に飛び出してきちゃった……」
紫「何も力になれなくてスミマセン……」

お互いに自分の非を責めて、ズーンとした重い空気が漂う。犠牲も何も出ていないはずなのに、すっかり通夜状態だ。

真「でも、紫紅くんは危ないってわかってても咲良ちゃんを追いかけて来てくれたんだよね？」
紫「えっ、あぁ……まぁ、そうですネ……。白波サン、爆速で走って行ったんで全然追いつけなかったんですケド……」
真「あはは……でも、それって誰にでもできることじゃないと思うよ。誰だって自分が助かりたい。それを捨てて、ここまで来てくれたのが何よりの証明だよ」
紫「……そう、ですかネ……えっと、ありがとうゴザイマス……」

俯きがちだった彼が少し顔を上げて、お礼を言った。真凜ちゃんの言葉は私だけでなく、他のみんなにも希望を与えている。

そうやって、みんなを元気づけられる彼女が羨ましいけれど……今のこの感情は嫉妬ではない。尊敬、だ。

真「あぁっ！私、見張りの仕事放って来ちゃったんだった！早く戻らないとダメだね、じゃあまたあとで！」

そう言うと真凜ちゃんはくるりと踵を返して武器庫の方へと駆けて行った。
残された私たちは、ただその背中を見つめることしかできない。

咲「真凜ちゃんは、凄いなぁ……」
紫「ですネ……」

ずっとここに突っ立っているわけにもいかないし、何かしようかと思った時だった。


☆


蛍「おやおやっ、ちょうどいいところに咲良ちゃんと紫紅くんはっけーん！やっほー！！！」
蓮「あっ、ほんとだ！やっほー!二人ともー！！……って、え？」


私が抱えたままだった爆弾を見た蓮さんの表情がみるみるうちに陰っていく。爆弾の誤解を解くため、私たちは今までの経緯を二人に話した。

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