脳はクラクラ、負才でバラバラ - (非)日常編 - 28 ページ43
一次解散となった私は見張りの当番になっている真凜ちゃんと一旦別れ、一緒に過ごす人をまだ決めていなさそうだった舞灰くんの元へ行った。
咲「舞灰くん。さっきの絵の片付けもしないといけないし、よかったら夜ご飯まで一緒に行動しない?」
紫「あっ白波サン……。そうですネ……えっと、ありがとうございマス……」
咲「ぜ、全然。もし他に過ごす予定の人がいたら断ってもらって大丈夫だし……」
紫「あ、それは……ボクみたいなゴミクズと過ごしたい人なんて居ないから、心配無用デス……」
咲「それは、えっと……」
不用意だった言葉がどうやら舞灰くんの地雷を踏みぬいてしまったようで、私はなんとも言えなくなってしまった。こんな時真凜ちゃんや黒川くんなら上手くかわせるかもしれないのに、なんて考えながら心の中でため息をついた。
何とか会話を続けようと試みてはことごとく失敗し、ついに美術室には無言の空間が作り上げられてしまった。
使った絵の具や筆を片付け、元の位置に戻す。高い位置にあったものは舞灰くん。低い位置のものは私が中心となって片付けていき、そう時間もかからずにほとんどすべてものが元通りになった。
咲「あとはこのキャンバスだけだね。確か向こうの壁に立てかけてあって……、え?」
私がキャンバスを少し持ち上げた時だった。
目に飛び込んできた"それ"が私の思考をショートさせる。
キャンバスの下敷きになった小型の箱。
刻一刻と進んでいる謎のタイマー。
そして、ごちゃごちゃと巻かれた導火線。
それは、どこからどう見ても___爆弾だった。
咲「ひっ……」
血の気が引いていく。
持ち上げかけたキャンバスが音を立てて床に落ちた。その音を聞いた舞灰くんがこちらを見て、私と同じように停止した。
紫「こ、これってもしかしなくても、爆弾……ですよネ……」
咲「た、タイマーが……!あ、あと5分で爆発……?」
こうしている間にもタイマーは止まることなく時を減らし続ける。このままここに居れば、私はこの爆弾と諸共に爆散してしまう。
咲「な、なんとかしなきゃ……なんとか……」
動転した思考がただ焦りだけを生んでいく。まともな考えなんて何一つ浮かんでこなかった。
ただただ、何かしないと。そんな思いが私を埋め尽くしていく。
なのに、体は一向に動かない。
怖い、怖いのだ。
失敗するのが、怖い___。
私のせいで失敗したら、そんな最悪の想像が私を引き留めている。
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凛導碧(プロフ) - おーすりーさん» ありがとうございますm(_ _)mおーすりー様の居場所を生かすことができ、とても嬉しいです。改めて、お疲れ様でした。 (2022年9月13日 15時) (レス) id: a9aa0fa550 (このIDを非表示/違反報告)
おーすりー(プロフ) - 凛導碧様、改めてありがとうございます。放棄してしまった私が言うのはなんともおかしな話ですが、この作品を生かしてくれて、ありがとうございます。凛導碧も、無理せず、自分のペースで更新していってくださいね。応援してます! (2022年9月13日 12時) (レス) @page37 id: 22a9b8f06d (このIDを非表示/違反報告)
未來。(プロフ) - 私にも出来る事があれば是非お声掛けください…!!作品を綴る事は可能だと思いますので…!! (2022年9月13日 7時) (レス) id: be142694a3 (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 私もできることがございましたら是非お声がけください!作品を綴ることはできると思います。 (2022年9月12日 22時) (レス) @page37 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - リアルが優先になってしまいますが、必要でしたらお声掛けください。比較的作品を綴れるとは思います (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6004fe1c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーすりー x他4人 | 作成日時:2022年7月30日 7時