脳はクラクラ、負才でバラバラ - 自由時間 - 6 ページ32
咲「___できた!」
キャンバスに描き上がった絵を見て、私は思わず叫んでしまった。視界の隅で、舞灰くんがビクッと肩を震わせた。
紫「終わりましたか……?」
咲「あっ、う、うん。舞灰くんは?」
紫「ボクはもう少しですワ……。ちょっと待っててくだサイ……」
咲「わかった」
舞灰くんがそう言うと、舞灰くんはもう一度キャンバスに視線を戻し、筆を走らせ始めた。そして、私は彼の言う通り、私はもう少し待っておくことにした。その間に、私が描いた絵をもう一度じっくりと眺めてみる。
私が描いたのは、桃色をふんだんに使った桜の木。
今まで桜はたくさん見てきたので、記憶を頼りにすれば容易に描くことができた。
それにしても、かなり上手いんじゃないだろうか。茶色の幹の中にいくつか混じった他の色も、目立ちすぎず、地味すぎず、全体の雰囲気を美しく昇華させている。
自分の絵に、思わず惚れ惚れしてしまう。本物とはまた違う美しさを持った桜。これが、私の手から生み出されたと考えると、なんだか不思議でならなかった。
紫「できました……」
と、しみじみしていると、舞灰くんから完成の報告がされた。ワクワクしながら絵を見にいくと、そこには紫と赤で描かれた"何か"があった。
咲「抽象画……?」
紫「そ、そんなカンジ……ですかネ……。思いついたものを描いてみたダケですケド……」
思いついたものを描いてみただけ、とは言ったものの、私はその絵に引き込まれていた。苦しい、とか、辛い、とか。そんな感情が、この絵には込められているような気がした。
ちらりと横にいる舞灰くんに視線を移す。血色の悪い肌に、目の下についているクマ。
彼は、一体どんな過去を持っているのだろう?
と、思案に暮れかけた時だった。
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凛導碧(プロフ) - おーすりーさん» ありがとうございますm(_ _)mおーすりー様の居場所を生かすことができ、とても嬉しいです。改めて、お疲れ様でした。 (2022年9月13日 15時) (レス) id: a9aa0fa550 (このIDを非表示/違反報告)
おーすりー(プロフ) - 凛導碧様、改めてありがとうございます。放棄してしまった私が言うのはなんともおかしな話ですが、この作品を生かしてくれて、ありがとうございます。凛導碧も、無理せず、自分のペースで更新していってくださいね。応援してます! (2022年9月13日 12時) (レス) @page37 id: 22a9b8f06d (このIDを非表示/違反報告)
未來。(プロフ) - 私にも出来る事があれば是非お声掛けください…!!作品を綴る事は可能だと思いますので…!! (2022年9月13日 7時) (レス) id: be142694a3 (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 私もできることがございましたら是非お声がけください!作品を綴ることはできると思います。 (2022年9月12日 22時) (レス) @page37 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - リアルが優先になってしまいますが、必要でしたらお声掛けください。比較的作品を綴れるとは思います (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6004fe1c78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おーすりー x他4人 | 作成日時:2022年7月30日 7時