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脳はクラクラ、負才でバラバラ - (非)日常編 - 2 ページ2

私より幾分か高い背丈。

見惚れるような綺麗な金色の長髪。

そして、花が舞うような笑顔。

それら全ては、彼女と初めて会った時と、なんら変わっていなかった。
彼女を見る位置が、背後から横に変わっただけ___たったそれだけの事実が、彼女との信頼関係が出来上がりつつあることを示していた。それがなんだか少し嬉しくなって、いつのまにか、どろどろとした不安たちは、心の奥の奥に押し込まれていた。



雑談を交わすわけでもなく、昨日のことの慰め合いをするわけでもなく、真凜さんと歩いた。食堂に着くまでの間、私たちは一言も喋らず、昨日のことが影響してるのかなぁ。とか、睡眠不足の頭で、ぼんやり考えていた。

少しすれば、いつのまにか景色は食堂付近になっていて、

やっぱり寝不足だな。今日は、ちゃんと寝ないと。

と、また、ぼんやり考えた。

そのことに、真凜さんは気づいてくれたようで、

真「寝不足?」

と、少し心配そうな顔で聴いてくれた。

咲「う、うん。……あ、あはは。ちょっと、寝れなくて」
真「そっか……」

きっと、私の一言で彼女は察したはずだ。私の寝不足の原因を。
真凜さんは何も聴かず、歩くスピードを少しだけ緩めて、食堂のドアを開いた。



真「みんな、おはよう」
咲「お、おはよう……」

親鳥にくっつく雛鳥のように、真凜さんの体の後ろから、みんなの様子を伺う。
やっぱり、みんな意気消沈……といった様子で、"元気がある"だなんて、口が裂けても言えないような空気感だった。

崇「おっはよー!使いちゃんに探偵ちゃん!今日はよく眠れたー?」

黒川くんを除いて。

真「うーん……。まあまあかな。黒川君は?」
崇「オレはぐーっすり寝られたよー!いやー、よく寝た日の朝は、気持ちいいもんだねー!」

よく、あんなことがあったのに寝られるものだ。黒川くんに対して、疑問が生じる。彼は、湊さんとも、夢灯くんとも仲が良かったはず。なのに、どうしてこんなにも元気でいられるのだろうか。
私は、彼をおかしいと思った。

"よく寝た"という言葉が、嘘である可能性を捨てて。

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凛導碧(プロフ) - おーすりーさん» ありがとうございますm(_ _)mおーすりー様の居場所を生かすことができ、とても嬉しいです。改めて、お疲れ様でした。 (2022年9月13日 15時) (レス) id: a9aa0fa550 (このIDを非表示/違反報告)
おーすりー(プロフ) - 凛導碧様、改めてありがとうございます。放棄してしまった私が言うのはなんともおかしな話ですが、この作品を生かしてくれて、ありがとうございます。凛導碧も、無理せず、自分のペースで更新していってくださいね。応援してます! (2022年9月13日 12時) (レス) @page37 id: 22a9b8f06d (このIDを非表示/違反報告)
未來。(プロフ) - 私にも出来る事があれば是非お声掛けください…!!作品を綴る事は可能だと思いますので…!! (2022年9月13日 7時) (レス) id: be142694a3 (このIDを非表示/違反報告)
水晶(プロフ) - 私もできることがございましたら是非お声がけください!作品を綴ることはできると思います。 (2022年9月12日 22時) (レス) @page37 id: 001dbf15df (このIDを非表示/違反報告)
無名(プロフ) - リアルが優先になってしまいますが、必要でしたらお声掛けください。比較的作品を綴れるとは思います (2022年9月12日 21時) (レス) id: 6004fe1c78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おーすりー x他4人 | 作成日時:2022年7月30日 7時

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