Be My Last (ページ26)

今日:2 hit、昨日:6 hit、合計:32,084 hit

24 ページ26

動きがあったと召集がかかったのは、私が此処へ来て2週間ほど経った頃。

乙「その筋に声をかけてるっぽい。Aちゃんの読み通り、僕らを完全にやろうとしてるね」

彼の組織は強大に見えて、実はそれほど力のない戦闘員が多い。
今まで主要なターゲットはほとんど私が潰してきたから、そこまで困っていなかったんだろう。

その彼が今戦力集めをしているということは…2broを完全殲滅させようと動いているに違いない。

弟「で、いつやるんだ？」

乙「明後日、有力者が集まる会合がある。戦力集めにやつも必ず行くはずだ」

「会を襲撃するんです？」

兄「いや、それはリスクが高い。移動中を狙おう」

弟「護衛もたくさんついてそうだけどな…」

「奴が移動するときは、必ず2台は別で車を用意してました。
それに場合によっては逃し屋をドライバーとして雇ってるかも」

乙「なるほど…護衛の数は倍以上の想定だとして、2:2に分かれて動こうか」

弟「じゃあ…俺がAちゃんとペアかな？」

兄「いやなんでだよ」

乙「残念、もう決まってまーす、弟者くんは僕とでーす。兄者はバイクでAちゃんと」

兄「OK」

弟「乙一さんかぁ」

乙「文句言わない！僕と兄者が運転しつつ援護と指示、弟者とAちゃんは攻撃に専念して」

了解、3人の声が揃う。
今まで任務に対してあれこれ考えることはなかったが、今回ばかりは訳が違う。
組織を抜けた今、確実に仕留めなければ…。

弟「…緊張してるの？」

私の手を指差しながら尋ねてくる。
なんと情けないことか、初めの任務の時のように小刻みに震えていた。

「いえ、武者が奮うやつです」

兄「嘘つけ」

弟「大丈夫！俺が確実に殺る！」

無邪気に笑いつつ手を握ってくる弟者さん。
暖かくおおきな手に、冷えた指先に血が通う感じがした。

「うん…絶対殺しましょう！」

兄「ねえおっつんこいつら怖い」

乙「やったれやったれ！」

兄「だめだこりゃ…」

彼と対峙するその時は、刻一刻と近づいていた。