46「万華鏡写輪眼の能力」 ページ46
(オリジナル要素強めです)
周囲の風景がガラリと変わった。
これは、幻術？
そこには若い頃の母。お腹を大きく膨らまし、
ちょうど出産の時だった。
周りは助産師だけ。夫も家族もいない孤独な出産だった。
助産師は、このままだと母親が死んでしまうから赤ちゃんは諦めましょうと説得する。
それでも母は拒否した。
でも、独り身の母が死んだら赤ちゃんの世話をする人がいないからという理由で、強制的に母の命が優先させられた。
母はずっと泣いて謝ってた。赤ちゃんに。
この町では、川に流す風習があった。小舟に乗せて、花を添えて、見えなくなるまで手を合わせて見送った。
とある殿方に嫁がされた後、医師に子どもが出来ない体であると言われ、その旦那に蔑ろにされる。
ある夜赤ちゃんの鳴き声がして、声がする方に向かった。鏡のように満月が映る湖の水面に、赤ちゃんが浮いていた。
ボートを出してそこまで行くと、赤ちゃんは30�僂曚豹緻未�ら浮いていて、普通の子ではないと悟る。
見た目からして、この子が私だ。
拾おうとした時、光に包まれる成人男性が先に赤子を抱き寄せる。長く白い髪、中性的で上品な顔立ち。母は突然現れた彼に驚きつつも、端正な姿に見惚れてもいた。
もしかすると……この人が私の父。
《我が子でもないこの子を、拾おうとした其方の優しさ、素晴らしいものです。しかし、其方は独り身。育てる覚悟はお有りでしょうか》
「私にはもう何もありません。両親と前の夫を失くし、赤子を失くしました。これも何かの縁でしょう。命を賭けて守る覚悟ならあります」
新しい旦那には見限られ、周囲には他の男との子ではと囁かれ、村八分にされる。
母は自分なんかが拾わなければ、
Aがもう少し幸せに暮らせられたかもしれない。
と、いつも後悔していた。
それでも私に、優しい笑顔を絶やさず向けてくれていた。
私は今でも覚えてる、充分幸せだったあの頃を。
「Aは優しいね」
そう褒めてくれるけど、この優しさは母のもの。
こんなに優しさで包まれたひとを、どうして殺すのか。
許せない、許せるわけがない。
私は優しくなんかない、
この愛を失くしてしまったら……わたしは……
『許さない……』
幻術から覚めた。目の前には母の体。周囲には私たちを利用した人間たち。
「早く呪印で縛……」
グサリ。呪印の術者に太い刺氷の術で心臓を貫く。これでわたしを縛るものはない。
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石セー(プロフ) - じゅりさん» じゅりさん初めまして！読んで下さってとっても嬉しいです^ ^ありがとうございます！更新頑張りますー！ (2019年5月20日 21時) (
レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 初めまして！更新楽しみにしてます頑張ってください！ (2019年5月17日 6時) (レス) id: 9e6c1be654 (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 名無し65455号さん» 初めまして、コメントありがとうございます。読んで下さってる方がいるんだなあと実感して感動しています。随時更新して行くのでよろしくお願い致します^ ^ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - 初めましてこの作品読んでみて楽しみにしていますこれからも更新頑張って下さい！ (2019年4月3日 13時) (レス) id: 1e5a33a9df (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 咲空さん» コメントとっても嬉しかったです。ありがとうございます！おかげさまで少し自信を持てました。主人公設定まだまだあるので楽しみにして頂ければ幸いです＾＾ちょうどプロットを練り直していたので更新が止まってしまいました。近々更新を再開します。 (2019年4月2日 16時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤成 | 作成日時：2019年3月10日 16時
