月の子２-もうひとりのかぐや姫-【カカシ、オビト夢】

49「暁へ勧誘」 ページ49

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え？ あなた……もしかして。
見上げるとやっぱり、子どもの頃リンに操られて手を握ったお面の人。
そんな、今までこの人関連の事ならいつもリンが知らせてくれてたのに。今回全く音沙汰なかったじゃない。



リン「Aさん辛そうだったから……
わがまま言えなくて」

面「追っ手が来るぞ、手を取るならここから逃がしてやる。さぁ、どうする」



我を失って人殺しをする私を留めてくれたのはリンだった。リンのおかげで気づかされた。
今はとりあえず、君のために生きてみようか。




私は彼の手を握った。
視界が歪み、お面の穴に吸い込まれる。




『ウゥ…きもちわるぃ』



頭がクラクラする、体も一度グミみたいになったような……。なにこれ？



「これは俺の時空間忍術、ここは俺だけの時空だ」



無音。白く四角いものが浮遊し、
無機質な空間のよう。
とりあえずお礼は言わないとね。



『ありがとうございます。えっと、名前は…』

「うちはマダラだ」

『確かとっくの昔に亡くなった人ですよね。
お面被って…信用できません』

「なら見せてやろう」



面の下顔半分を見せられる。傷痕だらけで、写輪眼になっている。
正直これで誰とか見分けつかない…。
リンはなぜ教えてくれないのだろう？

……。

反応なし。というかさっき沢山話しかけてくれた分力使い果たしたのかな。



『マダラとは信じがたいところだけど…、なんで私を助けたの？ あなたイタチから聞いたけど暁の人でしょ。暁勧誘ならお断りよ』

「それを決めるのは話を聞いてからでいい。
A、お前は我々暁と同じ思想を持ち得ると判断した。
それにその目…輪廻眼を開眼し者の使命は、これから話す月の眼計画と共にあるのだ」



りんねがん……？



「輪廻眼とは基本常時眼に現れるものだが…オンオフできるのは不思議だ…」

『何か言いました？』

「いや、なんでもない。それよりも月の眼計画について話そう」



彼らの最大の目的、月の眼計画。
それは、月に瞳力を転写させ、世界中の人々を幻術にかけ１つの統一した夢を見させることで、平和な世界を創造するというもの。



『つまり、極楽浄土みたいなもの？ そういうのは、ちゃんと今世をまっとうに生きた人が行くものでしょ』


「お前のような善良だった人間が、なぜ誤ちを犯した？ そうせざるを得ない世の中が間違ってるとは思わないか」

『……』



痛いところを突かれる。

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