27「お泊り」 ページ27
.
気づいたら先生の手を握っていた。
これはきっと、彼女の意思だ。
正体はわかったからもう怖くない、ここは彼女の気持ちを代弁してあげよう。
言葉ではなく、感じたことを。
『殺してくれる相手に先生を選んだのって……もしかして、先生が誰も恨まないようにって願いでもあったんでしょうか』
カカ「……そうか。あぁ……リンの望みを尊重したとばかり思っていたよ。なるほどな。もし里の誰かにリンを殺されたら、ゾッとする……。俺は里を恨んでいたかもしれない。はは…まったく、アイツらしいよ」
仲間の写真に視線を向けながら、「オビトならどうしたのかと、今でも思うよ」と虚しい声。
カカ「ま、俺だけ生き残ったのも何かの縁。今の俺の使命は、お前らを守り育てることだろうな」
励ましてくれて、ありがとうな。
と柔らかな笑みで頭をくしゃりと撫でてくれる。
やっぱり、先生の言葉は嬉しい。
大切にしたい。
カカ「もう21時か、あまり遅くならないうちに…」
『先生、今日はこのまま泊まりたいです』
カカ「は? 泊まるって」
『ベッドも広いし、余裕ですよねー』
白いシーツにバサッと倒れこむ。ふかふかで寝心地よさそう。
カカ「お前さぁ、女の子なんだよ?」
『別に先生、ロリコンとかじゃないでしょ?』
カカ「そんなんじゃないけどさぁ…。はぁ」
腕を組みながら隣に横たわって、ジト目で顔を向き合わせて来る。
カカ「自分が可愛いって自覚あんの?」
胸のあたりがキュンとはずむ。
よく言われるからあるよ、あるけど。何故か先生に言われると恥ずかしい。
『教え子相手にヘンなことしないで下さいね』
ベッドから起き上がり、恥ずかし紛れに笑って誤魔化して、先にお風呂を借りに行く。気持ち急いで部屋を移動した。
カカ「ヘンなことしないよ…しないけどさぁ」
カカ(いい歳して、A相手だとヘンに緊張しちまうんだよなあ。情けない…)
71人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
石セー(プロフ) - じゅりさん» じゅりさん初めまして!読んで下さってとっても嬉しいです^ ^ありがとうございます!更新頑張りますー! (2019年5月20日 21時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 初めまして!更新楽しみにしてます頑張ってください! (2019年5月17日 6時) (レス) id: 9e6c1be654 (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 名無し65455号さん» 初めまして、コメントありがとうございます。読んで下さってる方がいるんだなあと実感して感動しています。随時更新して行くのでよろしくお願い致します^ ^ (2019年4月3日 22時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
名無し65455号(プロフ) - 初めましてこの作品読んでみて楽しみにしていますこれからも更新頑張って下さい! (2019年4月3日 13時) (レス) id: 1e5a33a9df (このIDを非表示/違反報告)
石セー(プロフ) - 咲空さん» コメントとっても嬉しかったです。ありがとうございます!おかげさまで少し自信を持てました。主人公設定まだまだあるので楽しみにして頂ければ幸いです^^ちょうどプロットを練り直していたので更新が止まってしまいました。近々更新を再開します。 (2019年4月2日 16時) (レス) id: 34e5e194e4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤成 | 作成日時:2019年3月10日 16時