16「泣くこと」 ページ21
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その後もナルトとサスケは数日にわたって修行を続け、木登りを修得。
2人は疲れてぐっすりと眠っている。
イナリくんは窓の外でまたひとり泣いていた。
ナルトに泣き虫だって叱られて、思うことがあるのだろう。
『隣いいかな?』
イナ「グズッ…う、うん」
『ナルトのことごめんね? もうカカシ先生から話聞いたと思うけど』
イナ「聞いてたの?」
『うん、君のこと気になって様子見に行ったらちょうど話してて』
イナ「……僕まだ泣き虫が止まらないんだ。ズズッ」
『泣くってことは悪いことじゃないんだよ』
イナ「え…」
顔を涙でしわくちゃにしたまま
こっちを見る。
少し耳を傾けてくれそうだね
『涙って、最初はわけもわからず溢れて出てきて、止めよう、止めなきゃってって焦って焦るほど止まらなくなっちゃうじゃない?
でも泣いてるうちに「何で泣いてるんだろう?」って冷静になって段々わかってくる「ああ、自分はこうしたかったんだ」て』
イナリくん、本当はなんで泣いてるのかな?
イナ「僕は...今の自分がいやだ。変わりたいんだ」
『うん。そうなんだ、えらいね。君は今までの自分となりたい自分に向き合い続けてきたんだね』
イナ「...っ...っ! うっ...ぐ」
また沢山の涙をこぼし始める。
でもこの涙の理由は今までとは違う。
『よしよし。君も充分泣いた、えらいえらい。大丈夫、もうあと一歩で変われる。心配はいらないよ』
君は今、変化の境目にいる。
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作者名:赤成 | 作成日時:2019年2月25日 11時