好奇心 ページ7
安心したのか、テスト勉強をしていた時に起こった出来事が、次々と思い出せた。
マルフォイが処罰を受けたこと。マルフォイが処罰について書かれた手紙を受け取って、蒼白になったこと。ハリー達が、一晩で一番の嫌われ者になってしまったこと……。
Aは、ふと荷物を鞄に入れている手を止めた。そういえば、なんでハリー達は一晩で一番の嫌われ者になったんだっけ？
それは直ぐに思い出せた。
ああ、そうそう。確か、夜遅くにベットを抜け出して……。
Aは首をかしげる。なんでハリーは夜遅くに抜け出したんだっけ？ Aは、おぼろげな記憶をたどる。思い出せたのは、マルフォイが見せた、あの手紙。一通の、ロンのお兄さんからロンへの手紙。
ハグリットが飼っていた、違法ドラゴンについての手紙。
頭は、荷物を鞄に詰め込むことではなく、ある１つの疑問であふれかえっていた。
ハグリットは、一体、どこで、どうやって、ドラゴンを手に入れた？
その疑問は、気が付かなければ、そして興味がなければ、根強く彼女の頭にはびこらなかっただろう。が、しかし。彼女は気が付いてしまって、興味があってしまった。
Aは、どうやって、と気が付いて、ドラゴンの入手方法について、興味があってしまった。
違法ドラゴンを、どうやったら手に入れることが出来るだろう。
ただ、入手方法に興味があるだけであって、自分も欲しい、なんて思っちゃあいない。欲しいなんて思ってない。
Aは校庭を突っ切って、森近くのハグリットの小屋へと向かった。
小屋の主は、外で火仕掛け椅子に腰かけて、豆の鞘をむいていた。彼は、顔を上げてAの事を見る。
「おお！ Aじゃあねえか！」
「こんにちは、ハグリット」
最近、ハリー達と一緒にいねぇな？ どうした。と世間話をしそうになるハグリットを、手で軽く制す。
「聞きたいことがあって来たの」
「聞きてぇこと？」
そう、と言い、にこりと笑う。
「どうやって、ドラゴンを、手に入れたの？」
ビクリ、と大きな体が揺れた。
「どこで、それを」ハグリットの声が落ちる。
「あの時――――処罰の時、マルフォイもいた思うんだけど」
ハグリットは、ああと頷く。
「マルフォイは、ロンのお兄さんからの、ドラゴンについての手紙をロンから取って、それでドラゴンを土曜日に逃がすって知ったんだ」
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作者名：蒼使ヰ | 作成日時：2020年8月6日 16時
