【黄瀬涼太】星の座る場所 ★ ﾌﾟﾚｱﾃﾞｽ ★

◆星の王子様は眠れぬ魔女にｷｽをする◆ ページ7

視界に波紋が拡がる

狂った果実が種を落とす

小箱の中に見えた夢の輝き

「………愛してるんスもん。一緒にいたいなんて、当然っスよ」

炎が笑う。

雷が立ち塞ぐ。





突然世界に舞い降りてきたｳｲﾙｽは

涙さえも枯らしてしまう程

多くの大切な人達を殺していった

それでもまだ生きたいと願ってしまう

そんな本能を蹴散らす位に大きな愛情は

きっとこの星よりも壮大な力を発揮して

君を貫き通すだろう









.









.









「長い旅になるわよ」









気付けば二人は抱き合っていた。

「音楽も聴けないし、前の様に持て囃される事もない」

「うん」

「食事を摂らなくても生きてるし、永遠に眠れないし、ｹﾞｰﾑも出来ないのよ」

「うん」

「自分が人間だった事もいつかは忘れて、宇宙が終わりを迎えるまで時を待たなければならないわ」

「うん」

「もしかしたらあなたの友人が老いて死ぬ様を見届けなきゃいけないかも」

「うん」

「それでも、それでも。私に付いてくるって言うの？」









「Aっちの隣にいたい。ずっとずっと、一つになりたい」









刹那、炎は黄瀬の感情を鷲掴みにした。

かつて無い炎上を起こし、空間全体を泡の様に沸き立たせている。

「音楽なんて、Aっちの歌声で十分。ご飯とか昼寝とか、そんな人間染みたﾓﾉいらないっス」

そして時はゆっくりと動き出した。

隕石は生身の人間を巻き込んで彗星になろうと足掻いた。

世界を救うﾛｹｯﾄと、愛を捧げる男に電流を、血管を通して。

何者にも遮られずに、今、黄瀬とﾒﾃｵは一つになろうとしていた。

気持ちなんて生半可な物ではない。肉体事。

光を抱き締め、炎を飲み込み、愛を流して、世界を救う。

心臓で弾丸を受け止める様に、16歳と15歳の身体は、惑星の子宮に逆戻りしていた。

あの時、満天の星空の下で、した様に

彼を掴み、彼女を抱き締め、放さない。

ﾛｹｯﾄは爆発。中身のﾜｸﾁﾝが、血の様に二人を繋いだ。

皮膚をじわじわと突き進み、胸に激痛が走った

だが今は、その痛みこそいとおしい。

どくん、と

二つの魂が、一つになり

金の光は星になった。









「愛してるわ、黄瀬涼太」

◆僕たちは眠れぬまま◆→←◆赤い糸◆

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

ラッキーカラー

あずきいろ

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