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【第四十三話】 ページ47

夜の屯所。


中庭に面した吹き抜けの廊下には涼しい秋風が吹き抜ける。


夏の湿り気が過ぎ去り、心地の良い季節がすぐそこまでやってきているのを感じる。


本来であれば心地よく感じるであろう

その風が、気温が、湿度が、

1人になった山崎を静寂と侘しさで支配していた。


そして先程から人の気配を感じている。


これも監察の性たる物なのかもしれない。


味方か敵か

大方の人数

害なすものか否か


気配だけでその大抵を判別できるようになっていた。


味方であればその気配が誰のものなのか、というところまで。


水滴石を穿つ。


地味で表舞台での活躍はない密偵でも、

極め続ければ極限へと辿り着く。


「いるんでしょ。」


沖田隊長


角部屋の副長室。


曲がり角の陰から沖田が姿を現した。


「良いんですか、こんなんで。」


何も返さず横を通り過ぎようとする沖田。


その腕を山崎が掴む。


「何のようでィ。離せ。」


「ねぇ!」


頑なに離さずに沖田を制止する山崎。


「こんなんで良いのかよ…なんとも思わねぇのかよ…。」


「うるせぇ…。分かった気になってんじゃねぇよ…!」


沖田の圧に負けて手を離す。


沖田の目にも光る物があった。


再び1人になった山崎。


「調子狂うんだよ…。」


重い頭を項垂れて土方から任された準備を整えに向かった。


✴︎

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設定タグ:銀魂 , 真選組 , 沖田総悟   
作品ジャンル:アニメ
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やま - 次の話が気になります!!更新頑張って下さいね (2022年10月13日 17時) (レス) @page40 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます!嬉しくて何度も読み返してしまいました笑ゆっくり更新していくので気分転換がてら読んでもらえたら嬉しいです☺︎ぜひまたコメントお願いします♡ (2022年9月4日 10時) (レス) id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - とっても好きです。21話の夢主ちゃんの言葉が、単純で、重くて、強くて、読んでいて圧倒されました。更新の度にわくわくしながら読ませてもらってます🙇‍♀️無理はなさらず、頑張ってください💖 (2022年9月1日 20時) (レス) @page25 id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - まつたけさん» ありがとうございます!最近一段と亀更新ですが楽しんで貰えると嬉しいです!またぜひコメントお待ちしてます☺︎ (2022年8月31日 13時) (レス) @page24 id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
まつたけ - この小説すごく好きです。 (2022年8月15日 19時) (レス) @page22 id: 796715c198 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:威杜 | 作成日時:2022年6月18日 2時

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