【第二十九話】 ページ33
騒がしい声が耳の奥を突く。
目を閉じたまま、脳で脈打っているのを感じる。
生を感じる痛みと共に目を開くと、そこには眼鏡の少年がいた。
「Aさん!大丈夫ですか?」
慌てた様子で口を開く眼鏡、もとい新八に水を要求する。
お水ですね、とそそくさと台所へと向かった。
時刻は正午をまわっていた。
そうか、昨日は万事屋に泊まったのか。
動かない頭で昨晩の出来事を思い返す。
銀時は居間で神楽によってしっかりしばかれていた。
完全に被害者である。
「はい、お水です。
起きれますか?」
新八から水の入ったグラスを受け取り、もぞもぞと布団から這い出る。
「旦那、おはよーございます。」
「おはよーじゃねぇよコノヤロー。
大変だったんだからな!!」
未だ鼻血の止まらない鼻にティッシュを詰め込む。
「A!変な事されなかったアルか??
オッサン臭いパジャマ着せられて可哀想ネ。」
「だーかーらー!!
俺が無理矢理着せたみたいに言ってんじゃねーよ!」
再び言い争いを始める2人を横目で眺めつつ、
寝起きから悪化したやもしれぬ頭痛を感じていた。
これが二日酔いなるものか。
「Aさん、お味噌汁食べれますか?」
これからお昼ご飯にするので、と微笑む少年。
「ありがとう。」
「じゃあ、準備できたら呼びますね!
ゆっくりしててください!」
仏のような少年の言葉に甘え、もう一眠りしようと目を瞑ったその時。
万事屋の戸が叩かれた。
✴︎
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やま - 次の話が気になります!!更新頑張って下さいね (2022年10月13日 17時) (レス) @page40 id: 0e3bc286c0 (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - ☆さん» ありがとうございます!嬉しくて何度も読み返してしまいました笑ゆっくり更新していくので気分転換がてら読んでもらえたら嬉しいです☺︎ぜひまたコメントお願いします♡ (2022年9月4日 10時) (レス) id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
☆(プロフ) - とっても好きです。21話の夢主ちゃんの言葉が、単純で、重くて、強くて、読んでいて圧倒されました。更新の度にわくわくしながら読ませてもらってます🙇♀️無理はなさらず、頑張ってください💖 (2022年9月1日 20時) (レス) @page25 id: f76d03d4ec (このIDを非表示/違反報告)
いと(プロフ) - まつたけさん» ありがとうございます!最近一段と亀更新ですが楽しんで貰えると嬉しいです!またぜひコメントお待ちしてます☺︎ (2022年8月31日 13時) (レス) @page24 id: 496eb1da56 (このIDを非表示/違反報告)
まつたけ - この小説すごく好きです。 (2022年8月15日 19時) (レス) @page22 id: 796715c198 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:威杜 | 作成日時:2022年6月18日 2時