鬼殺しながら先生殺します。《弐》

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その後、2人もクラスの皆と合流し、

眼下に広がる地獄絵図に胸を痛めた。


完全に殺せんせーが圧(お)されているのだ。




『 (少し水の肌触りが違うような気がしますね⋯)

寺坂、プールの水に細工はしてありましたか？ 』


寺坂「 あぁ。あのタコに効く成分が入ってる。

それを長時間⋯てめェらを助けた分だけ吸ってんだ 」


『 なるほど。それに、殺せんせーの頭上には

3人残されていますしね。

本領発揮を易々とできない理由が

やっと整理できました 』




Aの言葉で皆の視線は

殺せんせーとイトナが戦っている場所の少し上に向いた。


そこには今にも落ちかかっている原と、

必死に崖にしがみつく松村と吉田がいた。




磯貝「 っ、お前ひょっとして⋯

今回のこと、全部ヤツらに操られてたのか⋯っ？ 」


寺坂「 ⋯あぁ、そうだよ。

目的もビジョンもねぇ短絡的なやつは

頭のいいヤツらに操られる運命なんだよ。

⋯だがよ。操られる相手ぐらいは選びてぇ。

ヤツらは懲り懲りだ。

賞金持っていかれんのもやっぱ気に入らねぇ 」




そして、寺坂は少し横を向く。




寺坂「 ⋯だから、業、A。

てめぇらが俺を操ってみせろや 」


「 はぁ⋯？ 」『 えっ 』


寺坂「 その狡猾(こうかつ)なおつむで俺に作戦与えてみろ。

完璧に実行して、あそこにいるのを助けてやらァ 」


『 いいですけど、実行できますか？ 』


業「 俺らの作戦⋯ 」



「 死ぬかもよ？ 」




業は寺坂の少しはだけたシャツを全開にした。


そして、2人そろって怪しげな笑みを浮かべ、

寺坂の顔を覗き込む。




寺坂「 やってやんよ。

こちとら実績持ってる実行犯だぜ？ 」




Aと業の考えている作戦はほとんど同じだった。


2人は色々な面での相性が良く、

作戦会議もほぼ一瞬で済んだ。


最終結論を寺坂に伝えた2人は半笑いで

みんなの元へ戻ってきて、寺坂のいる方を見下ろした。




『 ふふっ、いい感じですね 』


業「 そうだね〜。計画通りすぎて逆に怖いよ 」




自身のシャツを腹の前で掲げ、

寺坂はシロとイトナを挑発する。


危険だと判断した渚は2人に口を挟んだ。




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