五十五話 ありのまま ページ10
「太刀川さん、今まで貴方に突っかかってばかりでごめんなさい。」
「別に気にしてねぇよ………しのぶ…無理すんなよ。」
「!?……べっ、別に…無理はしていませんよ?」
こいつは身内を失い笑っているどころの話ではない。それなのに姉の思いを受け継ぐなんて理由で本来の自分を心の奥底にしまい込んだんだ。
胡蝶は後ろを向いてしまい表情は分からないがきっと不慣れな笑顔を浮かべているのだろう。
「俺は姉ちゃんいねぇからお前の気持ちはよく分かんねぇけど無理してることは分かる。」
「………」
〖太刀川くん!しのぶが泣きそうな顔になってるわ!フォローしてあげて!〗
カナエさん、確かに俺は胡蝶妹の表情分かんねぇけどわざわざ実況しなくて良いから。
本当に大変だと思うよ、胡蝶妹は。こんなわんぱく姉ちゃんの世話してその姉ちゃんが成仏せずにやりたい放題してんだから。
だから無理しなくてもいいと思う。こんなに姉がちゃらんぽらんなのだから。
「太刀川さん……私が笑っているのは変ですか?」
「なんで?可愛いじゃん?」
「!」
急に聞いてくる胡蝶妹に間髪入れず答える。
だって俺が返事するより先に〖作り笑いでもすごく可愛いわ!全然変じゃない!〗と叫びまくっている姉がいるのに「変です」とか言えるわけない
事実胡蝶妹の笑顔は作っていると分かっていても可愛いと思う
〖太刀川くん!しのぶが嬉しそう!やっぱり太刀川くんの前だとしのぶは自然体になれるわ!〗
そう言えば胡蝶妹は昔から礼儀正しい女だったが俺にはよく噛み付いてきていたな
「なぁ、胡蝶妹。」
「はい?」
「俺の前では気の強い胡蝶しのぶでいてもいいぞ。」
「えっ?」
きっとコイツは俺のことが嫌いなんだ。
だからいくら姉の真似をしているとはいえ嫌いな奴の前まで笑顔振りまくとか大変だろ。
だって俺宇髄の前でずっと笑顔でいること出来ないもん。
〖さすが太刀川くん!天然タラシをここで発動するなんて…太刀川セラピーって今度から呼んでいいかしら?〗
呼ばないでください。というかアンタはそろそろ黙っててください。
「私、生意気ですし…」
「そんなの今更だろ。俺は昔の胡蝶妹も嫌いじゃないぜ。」
「………じゃあ貴方の前だけ…私は胡蝶しのぶでいていいですか?」
「おう。」
むしろ胡蝶しのぶでいてくれ。カナエさんが二人いるみたいで落ち着かないしな。
あと後ろでチューチュートレインしてる君のお姉さんは祓っても良いかな?
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まよー - もう神作品です、夜中に笑い転げました (7月13日 1時) (レス) @page22 id: 4ebe815f43 (このIDを非表示/違反報告)
白猫さん(プロフ) - 夢主のツッコミで笑いすぎて死にそうwww (2021年10月16日 0時) (レス) @page14 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
12777ef7a7fv5w2(プロフ) - 呼吸の名前を出してください。お願いします。 (2021年2月26日 21時) (レス) id: f5ad5d7db2 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 面白すぎる、、ツッコミのキレが半端なさすぎです。 (2020年12月6日 22時) (レス) id: 739f2b6295 (このIDを非表示/違反報告)
朧 - やばいてw 伊黒の恋愛感情=鬼舞辻無惨が藤の花の傍でタップダンスw (2020年11月29日 20時) (レス) id: 30e17e49e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2020年3月25日 21時