病室 ページ47
『これめっちゃ遅くね?』
「バッキャロー、馬車より早ぇだろ!文句を言うなッ!」
『病み上がりなのに元気だな』
どうもどうも、こちらA。
現在、スピードワゴンとかいう実況者とジョジョがいる病院へ向かっているところです。
スピードワゴン曰く、今私達が乗っている乗り物を蒸気自動車と言うらしい。
時速15キロしか出せない自動車とか文明を生きていた私からしたら笑い物でしかないよね。
クスクスと声を押し殺して笑っていると、隣のスピードワゴンがまたごちゃごちゃと。
『で、スピードワゴンくんはジョジョとどういったご関係で?』
「それはこっちのセリフだ!」
そう言ってスピードワゴンが私を睨む。
何でそんな喧嘩腰なんだよこの人は。
3日前、一応助けてあげたんだしその態度はないでしょ。
ディオが石仮面を被って人間をやめちゃったよ!事件から3日……。
ジョースター邸は燃えたし、ジョジョのお父さんも執事も皆様総じてお亡くなりになられたわけで、ディオの自分勝手さには呆れてモノも言えない。
ディオって貧民街育ちだったから、最初は大富豪か何かを目指していたんじゃないの?
支離滅裂じゃないかもう。
不意に自動車が止まる。
顔を上げると病院に着いていた。
「アンタはここで待ってな。関係者以外は面会NGなんて言われかねないからな」
『いや私もジョジョの関係者だよ!』
そう言って、私は車から降りて病院の中へ入るスピードワゴンを追った。
「今、あの人は全くの孤独!心の支えがねぇ。こんな俺じゃあ役不足だがよォ!」
『実況いらんて』
病室に入る前にひたすら自分の心情を実況するスピードワゴン。
この人は思っていることを口に出さなきゃ死んでしまうのだろうか。
"ガチャ"
と、実況が済んだスピードワゴンがやっと病室のドアノブに手をかけたその時。
ドアの向こう側から綺麗な女性が顔を覗かせた。
「何か……この部屋は面会謝絶です」
「め、面会謝絶?俺はだからこそ来た!」
「看護は私共が十分やっております。後日いらしてください」
"バタン"と遮断するように閉められたドア。
ちらりと横目でスピードワゴンを見ると絶望したような表情。
大袈裟すぎだって。
『……仕方ない、帰ろうぜ』
「あの看護婦、俺のこの顔の傷を見て貧民街育ちだからって見下したんだ!だから閉め出した!」
『それはちょっと自意識過剰がすぎるんじゃあないの?』
「いいや違いねぇ!」
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金糸雀@Twitterよろ(プロフ) - 全ての出会いに感謝 (2月28日 3時) (レス) @page25 id: 8c9d2cd7b3 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - 本当、好き (2023年4月19日 17時) (レス) @page44 id: 7578fd3293 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ(プロフ) - 最高です!!! (2023年2月25日 12時) (レス) @page41 id: 5ceee3abc4 (このIDを非表示/違反報告)
光と慈雨(プロフ) - 餡さん» 沢山書いてくれてありがとうございます!嬉しい言葉ばかりで感動しました、これからも頑張ります🥹 (2023年2月18日 21時) (レス) id: 6671bb5b60 (このIDを非表示/違反報告)
餡(プロフ) - とはいえこんなに素敵な物語を執筆し、その上完結に至るまでには、 相当な思考と時間を要したかと思われます!本当にお疲れ様でした。「吸血鬼とモブJK3」の今後の展開も楽しみです。これからも陰ながら応援させて頂きます…!😭💖長文、失礼致しました。 (2023年2月15日 23時) (レス) id: 493b9f8f47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:光と慈雨 | 作者ホームページ:http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時:2023年1月27日 0時