全てはタイミング ページ36
SPW財団が私に渡してきた写真というのは、別に何かのスタンドとか術とかそういうのではなくてただの写真。
そう、ただのインスタントカメラで取られた自撮り写真。
SPW財団さんは好意できっとこの写真を渡してきたんだと思うけど、何か貰った時は恥ずかしいっていうか気まずいっていうか複雑な気持ちだった。
DIOの遺体を処分するの時に服のポケットから出てきたらしい。
相変わらず変な顔だなって写真を見て改めて思う。
だってこれ事故画だもん。
いや、全然処分してくれればいいのにね！
自分の顔の事故画貰っても、何て反応すればいいか分からなくて苦笑いで受け取った。
この私の半目でチベットスナギツネみたいな表情の写真は、DIOと喋った最後の日……
あの月が梅干しみたいに赤くて綺麗な日にふざけて撮ったのだ。
私がその日の昼に写真屋で買ったカメラを試しに使ってみたくて、DIOと自撮り大会をしていた。
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
『ねぇ、見てこれ。今日買ったんだけど可愛くない？』
「ただのカメラじゃあないか」
『そう！ただのインスタントカメラなんだけどさ、私の時代のJKは"チェキ"というカメラに夢中なんだよ』
「じぇーけー？ちぇ、？……おい、言語なのかそれは」
これが本当のジェネレーションギャップ、通称ジェネギャである。
DIOにはAが何を言っているのかさっぱりわからなかった。
『試しに今日も今日とてビジュ爆発なDIOちゃんを撮ってあげましょう！』
「貴様、いきなりシャッターを押すな……ッ！準備ってものがあるだろう」
『あ、写真出てきた』
「早っ」
二十一世紀のチェキ…とまではいかないが、出てきた写真は中々のクオリティだった。
ビンテージ風のフィルターで若者語に直せば"エモい"
肝心な被写体の写り具合はというと＿＿＿
『な、何ィ〜！？あんな不意打ちで撮ったというのに美しいだとぉ？巫山戯るなよ、わざと油断させのに！』
「フハハハハ、間抜けめ！」
『喋らなかったら100点満点だったよ』
黙ってれば美人なのに…とAは呟いてカメラをDIOに渡した。
『ちょー、可愛く撮ってね。角度大事だから』
「あぁ、勿論だよ」
物凄く棒読みで返事をすると、DIOは考えた。
"どうすればこの女を1番不細工な状態で撮れるか…"と。
角度、照明、タイミングを全て計算し最高の瞬間にシャッターを押した。
「撮れたぞ」
『わぁ、すごいブス。泣けそう』
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俺☆ - やばいめっちゃ面白いのにめっちゃ感動してる。何だこれ。 (2023年1月5日 11時) (
レス) @page50 id: b2c114123d (このIDを非表示/違反報告)
Earthあーす(プロフ) - あれなんか目がナイアガラの滝になってる (2023年1月4日 18時) (レス) @page43 id: 0fcf2cea39 (このIDを非表示/違反報告)
しらとめ(プロフ) - 面白いのになんとなく泣きそうになってきます (2022年11月28日 17時) (レス) @page35 id: 353a651934 (このIDを非表示/違反報告)
地獄の番人 - DIOの代わりに空条承太郎パイセンとくっついちゃいましょう!!面白かったです。続きを楽しみに待ってます!! (2022年11月28日 1時) (レス) @page33 id: d126292683 (このIDを非表示/違反報告)
ペトリ皿(プロフ) - やばい。展開も何もかもが面白すぎる。 (2022年11月27日 18時) (レス) @page32 id: cbc38767b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光と慈雨
| 作者ホームページ：http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2022年9月5日 23時
