吸血鬼とモブJK【ジョジョの奇妙な冒険】

クリーム ページ43

「………」


『えっと、失礼ですがお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか？』


「ヴァニラ・アイスだ」


『……な、なるほど』


見た目とのギャップにやられて、私は思わず吹き出しそうになった。


なんだよヴァニラ・アイスって。


名前めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか。


玄関の扉を開けて出できたのは、ロン毛の何ともイカつい男だった。


そして恰好がまたまた奇抜で。


紫色のピチピチのレオタードにハートまみれっていうね、

子供が見たら泣き出してしまいそうな姿をしている。


当然のようにソレを身にまとっているのが、また恐怖だ。



申し訳ないけれど、目のやり場に困るのでズボンを履いていただきたい。


DIOのお仲間は総じて変態なようで。



「貴様、この館に何の用だ。さっきDIO様の"友達"という不快な空耳が聞こえたが」



目の前の奇抜な服装に気を取られていると、ヴァニラさんが切り出すように口を開いた。


額に縦じわを寄せて、私に対する嫌悪を分かりやすく顕にしている。



『空耳じゃないっすよ。アホのDIOとあとテレンスの忘れ物をわざわざ届けに来たんで！』



「アホのDIO…！？」


『え、何…顔こっわ！』



彼は何に反応したのか、突然大きな声を出してバイオレット色の綺麗な瞳を大きく開いた。



そして1歩身を出して、私に近づくと噛み付くような声で言った。



「たかが小娘の分際でDIO様をバカにするのか…ッ！このど畜生がァ……！！」


『うん、何かごめんて』


いや、ヴァニラさんDIOの事になると人格変わるタイプか。


血眼になって、明確な殺意を担いでいる。


これ以上ヴァニラさんの気に障るようなことを言わない方が良さそうだ。


というか、もっとまともに話を聞いてくれる人はいないのか？

何でよりによってDIOガチ勢が出てきたんだよ。



「あなた達、何をやっているんですか？」


その時だった。


聞き覚えのある声がヴァニラさんの背後から聞こえてきた。


彼は憤慨しているヴァニラさんを落ち着かせるように、私とヴァニラさんの間に入る。



「ヴァニラ、こいつはDIO様の友達…というか知り合いだ。一応、嘘はついてない」


「なっ…！？」


ヴァニラさんめっちゃびっくりするじゃん。


"嘘だろ…？こんなアホ面の女が？"


なんて言いたげそうな表情でヴァニラさんは私を見つめていた。



「……それでお前も、館に来るなら事前に言っておけ」


『すまんな、テレンスくん。助かりましたわ』

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