吸血鬼とモブJK【ジョジョの奇妙な冒険】

ファッショニスト ページ28

｢あのテレンスにゲームで勝つとはな。やはり貴様はこのDIOの側で仕えるべきだ｣


『おっと、約束が違わないか？』



｢……これを言うのは不服だが、貧乏人のお前には服でも1つ買ってやろう｣



『不服なら言うなよ！てか、服買えないほど私は貧しくはない』



ねぇ、このくだり何回目？


テレンスに勝負で勝ったから、もうDIOは私に絡んでこないとばかり思っていたよ？


何なん、今日も今日とてしっかりダル絡みなのね。


早歩きをする私の隣にピタッとくっついて、ペラペラと訳の分からない事を勝手に喋っているDIO。



いつもと違って今日は黄色の上着とハートの頭の飾りは身に付けておらず……簡単に言ってしまえばDIOは上裸なのだ。


随分、平気そうな顔をして過激な格好をしているけれど大丈夫そ？捕まったりしない？



見ない間に変態度が増していて、ますます隣を歩きたく無くなった。



｢貴様、気持ち悪いほどに顔が歪んでいるぞ｣


『誰のせいだと？』


何でジョジョのキャラクターは皆こんな癖者なんだ。


見た目も言動も行動も癖が強すぎない？


何処か上機嫌のDIOを横目に、私は少しだけ歩く速度を上げた。


｢ところでA、何処に向かって歩いている？｣


DIOが絡んでくる、こういった日に私はいつも思うのだ。


神様は何故、私を選んだのかと。


異世界トリップさせてやろうと考えたら普通、条件が良い人を選ぶんじゃないのか？



生粋のジョジョファン…またDIOの推しは何万といるはずなのに、神様は何をやっているのだろうか。


もっと勉強ができて、美人で、スポーツができる子を優先して選べばいいものを。



何故こんなモブCの私を選んだのだ。




｢おい、無視するな｣


『え、ごめん何か言った？』



突然DIOに肩を突つかれて、我に返る。


やっべ、何言ってたのか全然聞いてなかったわ。




｢何処に向かっているのだと聞いている。貴様の家の方向はこっちじゃあないだろう？｣



『うん、今日は外食デーだから寄り道』


｢なんだと…？｣


『何故そんなに驚く？』


外食くらい誰でもするだろ。


DIOくん、オーバーリアクションにも程があると思うよ。


今日は自炊するのが面倒だから、適当に店探そうと思ってた。


ところでこの自称吸血鬼、いつまで着いてくるつもりだろうか。


まぁ、ここまで来たならさ…


『ねぇ、一緒に着いてきてよ。1人じゃ暇だし』


「……！？」


いっそこの変人を晩餐に誘ってみるのもアリかもしれない。

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