勝負 ページ27
布団に体を投げだし、そのまま私は目をつぶった。
テレンスが去った後の部屋は何か気が抜けたように静かで、壁掛け時計が時を刻む音だけが響いていた。
『今日はいい夢が見れそう』
このときの私は非常に清々しい気分だった。
今までDIOによって溜められてきたストレスが、全て消えたかのよう。
自分でも性格が悪いと思うが、誰にも負けないだろうと言う、確固たる自信で満ち溢れている人に勝つのはとても気持ちがいい。
やはり私に勝利の女神はついていた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
『あらら、いつの間にか勝ってたわ』
｢はぁ！？｣
my守護神とやらが、私のコントローラーを操作してから10分後……
私は波に乗りまくり、気づいたら11対7で逆転勝利。
自分はほぼコントローラーの操作をせずに勝ってしまったため、少々罪悪感があるけど…仕方がない。
｢お前、やはりイカサマをしていたな…ッ！｣
『してないって』
｢な、何故……心が読めないんだ？｣
テレンスが私の肩を掴んでガクガクと揺らす。
うげぇ、強い強い！
『落ち着けって！うぇ、気持ち悪…酔ってきた』
｢これがA、貴様のスタンドだな！？｣
『あー、はいはい！そういう事にして下さい！』
揺れは収まったが、テレンスは私の肩を掴んだまま額に青筋を張らせ……大変な剣幕で。
いや、怖い怖い。
最初のあの、ジェントルマンの態度はどこ行った？
テレンスのスタンドは心を読むものなのか、それが私に効かないらしく…何と言うか、とても正気じゃなかった。
『でもイカサマだったとしても勝ったのは私なんだから、約束通り帰ってよね』
｢このクソガキ…っ！｣
『グッバイ、テレンスちゃん』
｢……チッ｣
私を再び忌々しそうに睨むと、そのまま玄関に向かってドスドスと歩き始めた。
いや、そこまで大袈裟に怒りを表現しなくても。
流石にイライラしすぎな？
多分カルシウム不足。
『あ、ちょっと待って！このテレビ持って帰れよ！』
｢黙れド屑、次会った時は私は貴様を完膚なきまでにぶちのめすからな…ッ！｣
『人の話聞けよ……おいっ！』
テレンスはテレビとゲームカセットをテーブルに置いたまま、帰って行った。
途端、静かになった部屋で私は大きなため息をつく。
ひとまず、この勝負には勝ったようだしこれ以上DIOが私に干渉してくることはなさそうだけど……
それにしても、何でアイツらは人の話を聞かないの？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 209人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジョジョの奇妙な冒険」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
わるび - 読み始めました。ふたりも見守るキャラクター達も凄く可愛らしくて、家族が居るのに笑ってしまいました( *´艸｀)素敵な作品を作ってくださり、ありがとうございます！ほのぼのと癒されました。 (2022年9月23日 20時) (
レス) @page50 id: 08dad0f4f2 (このIDを非表示/違反報告)
処刑人 - 夢主さん・・・・頑張れ骨があったら拾っときます。 (2022年8月24日 14時) (レス) @page41 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ツルツルピッカーん!!労宮を押すと確かに痛い (2022年8月22日 5時) (レス) @page37 id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
ﾗｳﾙ(プロフ) - 夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人さん» 色々と嬉しくて禿げます（？） (2022年8月21日 15時) (レス) @page36 id: cb2141a780 (このIDを非表示/違反報告)
夢主さんファンクラブ2番!!地獄の番人 - ﾗｳﾙさん作品とか関係ない、やりたきゃやればいいのです✨返信ミスではありませんよｳﾌﾌ♥ (2022年8月21日 8時) (レス) id: 37fa50b5c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：光と慈雨
| 作者ホームページ：http:// http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2022年8月5日 18時
