こっち向いて２ ページ19
大貴side
パタン
意識を手放して、夢の中に入りかけていた時に
ドアの音が聞こえた。
そしてすぐにベッドが軋んで、隣があたたかくなる。
……伊野ちゃん、帰ってきてたんだ。
お風呂ももう入ったのかな…
もう眠気が勝って瞼は開かないけれど、少しだけ手を動かして彼に触れる。
すると、伊野ちゃんが横から俺を抱きしめて深呼吸をした。
…へへ。
夢と現実をふわふわと行き来しながら、大好きな人の体温を感じるって
すごく幸せだよね。
…でも
俺も伊野ちゃんの方に向こうと思って、寝返りを打とうとした時
突然、知念のこと思い出してしまって。
大「………」
心が粘着質な何かで浸食される感覚を覚えた俺は、
伊野ちゃんに背を向けるように、寝返りを打った。
〜〜〜
ああ、まただ。
また、伊野ちゃんが俺の方を見ない。
大「……こっち向いてよ」
どうしたんだろ、俺。
いつもならこんなこと言わないのに。
今日はやけに、イライラして…口が勝手に動く。
声をかけたって、知念と仲良さそうに笑っている彼は、ちらっと目線だけをこっちに送るだけで。
…なんだよ、なんで、俺にかまってくれないの。
大「伊野ちゃんさぁ、俺のこと好きじゃなくなったでしょ」
自分で言っておいて、声が震える。
そんなことを言いたいわけじゃないのに。
俺の言葉を聞いた伊野ちゃんは
俺の方に体を向け直して
……………笑った。
慧「ああ、バレちゃった？俺、もう知念と付き合うことにしたから」
大「え………っ、」
いま、
なんて？
驚きや戸惑いがキャパオーバーして、
身体中の血が逆流する。
悪びれる様子もなく笑う彼が、だんだん遠のいて。
前が見えない。
……やだ、離れていかないで、
ずっと俺の側にいてくれるんじゃないの？
ねぇ伊野ちゃん、
苦しい＿＿＿＿＿＿
大「はっ…………、」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 276人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くわずいも(プロフ) - たぴおかさん» お返事遅くなってすみません！！ありがとうございます(//∇//)そう言っていただけて嬉しいです！書いている私自身も円盤見たらにやけちゃいそうです笑 (2020年3月28日 0時) (
レス) id: a3880cc396 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか(プロフ) - 円盤化されてだいきんぐといのてりみたらくわずいもさんのお話思い出してニヤニヤしちゃいそうです^ - ^ (2020年3月22日 0時) (レス) id: a165e435f9 (このIDを非表示/違反報告)
くわずいも(プロフ) - たぴおかさん» な、な、何周も！？ですか！？ありがとうございます(T-T)すごくすごく励みになります！頑張ります！ (2020年3月14日 1時) (レス) id: a3880cc396 (このIDを非表示/違反報告)
たぴおか(プロフ) - くわずいもさんの作品何周もして更新待ってましたー！ゆっくり頑張ってください！ (2020年3月14日 0時) (レス) id: a165e435f9 (このIDを非表示/違反報告)
ろこ(プロフ) - くわずいもさん» やったーー！！もちろん！いつまででも待ってまーす(*´∇｀*) (2019年12月22日 11時) (レス) id: 56de0c7aaf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くわずいも | 作成日時：2019年11月30日 21時
