検索窓
今日:20 hit、昨日:9 hit、合計:38,004 hit

29話 ページ30

彩side

ザン「お、見てみろよ。翡翠ちゃんがくれたやつと同じのがある」

土産物屋で誰にもバレないように調査を開始……したのだが、すぐに氷月の予想通り何もないことがわかったのでザンはさっさと買い物モードに切り替えていた

指された方を見ると確かに貰った物と同じブレスレットが、全12色と書かれたプレートと共にグラデーション順に並んでいた

氷月「土産物屋だとどこにでもあるな、これ。……そういや外しっぱなしだった」

氷月はそう言いながら自分のブレスレットをポケットから取り出した

ああ、夕食作ってる時に汚すのも嫌だったからな

全員そうだったらしく、各々自分のブレスレットを取り出すと一斉に手首につけた


っ!?


さっきの教訓から態度には出さなかったものの、明らかに異質な気配

朔夜が真っ先に自身の気配を消して土産物屋を出た

それに続くように俺らも目立たないよう注意しながら朔夜に続く


「おい、危ねーじゃねぇか!」

朔夜が角を曲がろうとした瞬間、辺りに大きな怒声が響き渡った

角の向かいから来た男性とちょうど曲がろうとしていた朔夜がぶつかりそうになったらしい

もちろん朔夜は目立たないために少し早歩きになっていた程度の速度だったし、何の苦もなく避けられたが男性はそういう事はお構いなしと言いたげだった

ふむ、こういう相手にはさっさと謝罪を口にするのが一番面倒がなくて良いな

3人も同じ意見で、俺らは朔夜の声で揃って頭を下げた

朔夜「すみません、こちらの不注意でした」

先ほどの大声で周囲に居た生徒達はみんなこちらを見ていた

必要以上に関わって、周りを不快にさせる事もないだろう

男性は何か言いたげに少しの間立ち止まっていたが、すぐに舌打ちをして玄関ドアから外に出て行った

それを見送りながらザンと氷月は俺らにしか聞こえない声量で話す

ザン「教師じゃないよな。旅館関係者か?」

氷月「にしては態度が横暴過ぎなかったか。あれがもし関係者なら、女将には頭の痛い存在だろうな」


一方の朔夜は2人ではなく周りにいる生徒達に目を向けていた

朔夜「不愉快にさせてごめん。こちらの事は気にしないで」

朔夜の落ち着いた声で安心したらしく、生徒達は各々がしていた事に戻っていった


『結局今回も見失ったか……。ザンももう何も感じないだろ?』

駄目元で俺が聞いてみると、ザンは少しだけ自信に満ちた顔を向ける

ザン「新情報。あの気配は2人で発せられてる。ま、人ではないかもしれないけど」

30話→←28話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (63 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

HIRU - 更新ありがとうございます! 続きがでて、嬉しいです(人*´∀`)。*゚+ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 5e35832e7d (このIDを非表示/違反報告)
HIRU - 最高に面白かったです!! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 25cdd64a13 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新、ありがとうございます! とても面白いです! (2020年3月30日 15時) (レス) id: b3e83051c6 (このIDを非表示/違反報告)
- 更新待ってます! 続き、楽しみです (2020年3月27日 10時) (レス) id: f75b931708 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - ヤッバイ笑ニヤニヤが止まんないくらい面白いです。応援しています!頑張ってください! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 834fae0dd3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シャビ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2020年3月22日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。