18話 ページ19
彩side
氷月「おい、本当にそれで行くのか?」
やりすぎだろうと言いたげな表情を無視し、俺は制服のカーディガンを着る
真白学園に転校するのをきっかけに、俺はApex家に移住していた
もともと俺の部屋もあるわけで4人で住むには大きすぎるこの家は、あいつが用意したものでなければ完璧なものだ
ザン「彩。俺らもあいつは嫌いだし、恨んでいるけどさ。男装するまで思い詰めることなくね?」
ザンの言葉に氷月も朔夜も頷く
俺は真白学園に男装して通おうとしていた
Apexの時に被っている茶髪のウィッグを違和感がないかチェックしながら俺は答える
『別に思い詰めてるわけじゃねーって。あいつの条件は学園に通う事、Apexの活動時にフードを被らない事、本気を出す事だから違反はしてねーし。性格を偽るだけなのが飽きてきたから方向性を変えただけだ』
いわゆる反抗期なんだよ、あいつの予想外を突きたい
氷月「どうしてもと言うなら反対はしねーけどさ。……そろそろ時間だ。出ようぜ」
氷月の声で俺達はApex家を出る
自動ロックのおかげで鍵を閉める面倒は省け、俺達は駅に向かって歩き出した
ふと左を見ると、窓ガラスに俺の姿がチラリと映る
真白学園の制服は紺色でズボンは灰色
胸ポケットには学園の校章が刺繍されており、赤色をベースに白と黒のラインが入ったネクタイが特徴的だった
とある雑誌の制服ランキングで1位を獲得した程支持されているらしい
確かにセンスは悪くないし、結構俺の好みかも
そう考えながらふと視線を感じ目を上げると、氷月と目が合った
氷月「お前さ、良かったのかよ。俺らはお前がKZに居たって構わなかったし、どんな状況でもお前をサポートするつもりだったぞ」
どうやら心配をかけていたらしい
俺は内心感謝しながら答える
『もういい。KZは楽しかったが、俺はApexのメンバーだ。要はけじめをつけてきた。KZと同じようにApexも好きだから気にするな』
氷月「……KZを抜けた本当の理由は違うだろ。」
その言葉に思わず黙りこくる
やはり氷月にはバレていた
おそらくザンも朔夜も、聞いてこないだけで察しているのだろう
氷月「余計なお世話だろうが、偽名だってそうだ。彩に月をつけてサツキと読ませるんて、まるで……」
まるで2人のことじゃないか
そう言おうとしたのを氷月はやめてくれる
その代わりにため息をつき、心配するように俺の顔を見た
氷月「お前はApexのリーダーだ。だが責任を背負いすぎてる。少しは仲間を頼れ」
55人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
HIRU - 更新ありがとうございます! 続きがでて、嬉しいです(人*´∀`)。*゚+ (2020年10月14日 16時) (レス) id: 5e35832e7d (このIDを非表示/違反報告)
HIRU - 最高に面白かったです!! (2020年10月1日 17時) (レス) id: 25cdd64a13 (このIDを非表示/違反報告)
舞(プロフ) - 更新、ありがとうございます! とても面白いです! (2020年3月30日 15時) (レス) id: b3e83051c6 (このIDを非表示/違反報告)
舞 - 更新待ってます! 続き、楽しみです (2020年3月27日 10時) (レス) id: f75b931708 (このIDを非表示/違反報告)
未胡成(プロフ) - ヤッバイ笑ニヤニヤが止まんないくらい面白いです。応援しています!頑張ってください! (2020年3月26日 0時) (レス) id: 834fae0dd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ